『文化放送報道スペシャル「戦争はあった」』が第46回放送文化基金賞 優秀賞を受賞
8月4日、第46回放送文化基金賞が発表され、『文化放送報道スペシャル 「戦争はあった」』が、第46回放送文化基金賞 番組部門 ラジオ番組の優秀賞に選ばれました。
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放送文化基金賞は、過去1年間(2019年4月~2020年3月)の放送の中から選ばれた、優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られる賞です。
『文化放送報道スペシャル・戦争はあった』は、詩人・アーサー・ビナード氏が東京都内を中心に首都圏各地に存在する戦争の跡地を訪ね歩き、それぞれの実態を探りました。短編作品『戦争はなかった』(小松左京著/1974年発表)に出会ったアーサー氏が、「戦争は本当にあったのか?」「東京のどこに戦争は隠れているのか?」という自身の疑問を解き明かすために、今はビル影に隠れてしまった戦争の痕跡を探索。次の5つの場所で取材した模様を2019年8月28日に放送しました。
1. 東京・巣鴨プリズン「絞首台はあった」
2. 東京・成増飛行場「掩体壕(えんたいごう)はあった」
3. 神奈川・相模原陸軍施設「将校の集会場所は今もあった」
4. 埼玉・文化放送川口送信所「隠ぺい放送局はあった」
5. 東京・陸軍中野学校「スパイの巣窟はあった」
審査では、「小松左京の小説をアイデアとして、日常的に私たちが謳歌しているふだんの暮らしの地面の下に、戦争遺跡とでもいうべきものが多く潜んでいることを、アーサー・ビナード氏の軽快な語り口で次々と明らかにしていく。戦争について、今までにない切り口でとりあげて、楽しくさえあった」と評価されました。
なお、当番組は先ごろ、『放送人グランプリ2020』でもパーソナリティー・アーサービナード氏と制作スタッフが優秀賞に選出されました。ラジオ界では今年唯一の受賞でした。
文化放送報道スペシャル 戦争はあった
放送日:2019年8月28日(水) 19:00~20:00
出演者:アーサー・ビナード(詩人)、栗原俊雄(毎日新聞記者)、山本武利(早稲田大学名誉教授・一橋大学名誉教授) ほか