デザイナーフーズ計画というのをご存知でしょうか。1990年にアメリカで発足されたプロジェクトで、がん予防のために食品成分がどのような機能を果たすかを研究し、最終的にがん予防に有効な食品を科学的に解明することが目的のものと言われています。このプロジェクト自体は1995年には停止してしまいましたが、がん予防に有効性があると考えられる野菜類が40種類ほど公開されました。
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40種類の野菜類
デザイナーフーズでは、重要性の増加度合いをピラミッド型に配置し、野菜類が40種類取り上げられました。その中にはターメリックやトマト、ガーリック、オニオン、バジルなどが含まれています。当時のプロジェクト自体は停止してしまいましたが、日本では独自にこういった食材についての研究は続いているようです。
効果ありと見込まれる野菜を取るには
デザイナーフーズで取り上げられたピラミッドに含まれる野菜類を見てみると、インドカレーで非常によく使われるものばかりが入っているように思えます。がん予防に関しては明確になっている部分は少ないですが、含まれる野菜類やスパイスには様々な効能があると言われているものが多いです。例えば、ターメリックには、消化促進や殺菌作用・抗アレルギー作用、月経調整などがあると言われており、生姜には抗酸化作用や胃腸機能の改善・血管拡張作用により冷え性などに効果があると言われています。実際にエビデンスのある効能が見られているものも複数あるため、信憑性もあります。残念ながら科学的裏付けは未だのものも含まれていますが、様々な栄養素があることは確かです。インドカレーを食べることで美味しく・健康体で居られるかも知れません。
インドカレーなんて作るのが難しそうだと思うかも知れませんが、実はすごく簡単に美味しく作れてしまうようです。興味のある方には是非チャレンジして頂きたいです。
文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年6月27日の放送では、ゴリラのマークでお馴染み株式会社ゴーゴーカレーグループ代表取締役の宮森宏和さんと、MENSA会員であり東京大学大学院食品科学の観点で香辛料を研究されているスパイス料理研究家である印度カリー子さんにご参加頂き、「カレーの魅力」の話から「カレーの可能性」について伺いました。
カレーの魅力を3つに絞るなら
カリー子 「簡単にできる」というのが1つ目です。カレーというのはすごく単純でフライパンと火さえあれば炒めることで作ることができます。
入山 カレーは煮るものだと思っていましたが、スパイスカレーは炒めるものなんですね。
カリー子 さらに「食材が安価」であるということですね。玉ねぎ、トマト、ニンニク、生姜と保存の効くものに、そこに鶏肉やお豆など汎用性のある食材で美味しいカレーが作れます。そして「アレンジ性の豊かさ」ですね。カレールーに関しては、どんな食材を使っても全てがカレー味になります。しかし、スパイスカレーは魚か肉なのか、ココナッツミルクを入れたものなのか、素材が変われば全くの別物に変わります。素材ありきの炒め物で、ターメリック・クミン・コリアンダーがあるだけでカレー味になる単純さと、異なる素材やスパイスを取り入れても、調和を取り、様々なものを受け入れる懐の深さがあります。
活動の目標はどこにあるのか
カリー子 スパイスカレーが家で簡単に作られている状態、そういった文化を根付かせることが目標です。文化に根付くことで、新しいアイデアに繋がる文化となることを期待しています。根付いた文化から様々なアレンジが生まれ新食品だけでなく、その融合性から新しい商品のアイデアや都市開発にもつながると考えています。
入山 都市開発?
カリー子 例えばパスタというヨーロピアンなものとシラスという和のものを組み合わせるアイデアは、ヨーロピアンの家の中に畳を持ち込むといったような発想に紐づくかもしれないと考えています。発展性のあるアイデアの発想はどこから出てくるのかはわからないものです。広がりがあればあるほどに可能性は出てくると思っており、そういった広がりがスパイスカレーにはあると思っています。「発展的なアイデアの素になるベース」をカレーで築くことが目標です。
浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:土曜 18:00~18:57
出演者:入山章栄
過去回:Podcast
毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。
当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。