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江口　そもそもの出会いは保育園でした。僕は小さい頃から歌が好きで、歌の時間になると誰よりも大きな声で歌ってたんですけど、あるとき僕以上にいい声で歌ってる子がいる

のに気づいたんです。パッとその声のほうを見たら、その日入園してきた森がいて、僕を見てニコッと笑ったんですよ。

森　　僕は記憶にないんですけどね。

江口　いま思えば、あの笑顔が「大人になってから一緒に歌うことになるから、よろしくな」っていうサインだったんじゃないかと思ってるんですよね。

森　　ドラマチックすぎるだろ（笑）

江口　26歳のときで、芸人としては遅いスタートなので焦りもありました。当時はネタ合わせをしてライブをして反省会をするという繰り返しの毎日で。わざわざフリートークの練習までしたこともありました。

森　　カセットテープに録音しながら「はいどーもー」って（笑）。あの頃は思いついたことを片っ端からやってましたね。仕事は無いし、いろんなことがうまくいかないフラストレーションもあったし。

江口　そういうストレスが原因だったのか、一時期、森の尿道がえらくゆるんでたことがあったんです。先輩との飲み会の帰りに駅で漏らしたり。

森　　これではちょっと説明不足なので補足しますね（笑）。漏らしたのは事実なんですけど、僕が切符を買おうとして先輩を待たせてたんです。ちょうど電車も来るところで、本当はトイレに行きたかったけど、それだと電車に乗れないじゃないですか。だからもう「出しちゃえ」と。

江口　（笑）

森　　つまりは先輩に対する配慮なんですよね。

江口　あと、当時は森が運転するバイクの後ろに乗せてもらって移動してたんですけど、家まで送ってもらってヘルメットを返すときに、ふとシートを見たらびしょ濡れだったこともありましたね。

森　　それも同じ理屈ですよね。僕が途中でトイレに寄ると相方の帰りが遅くなる。申し訳ないなと。だったら漏らしちゃえと。

江口　それは配慮なのか（笑）

森　　江口は自分を見せることを嫌がるタイプですね。僕には唯一いろんな部分を見せてくれるんですけど。知らない人が一人増えると緊張するんです。ただ、それはその人を拒否しているわけではなくて、「どういう方だろう」と汲み取とうとするモードになってるんじゃないかと。根が優しいんでしょうね。あと、「自分のことはいいから森が好きなことをやってほしい」というスタンスでいてくれるのもありがたいですね。『ゴールデンラジオ！』のオファーをいただいたときも、他の方たちとトークする仕事が僕には向いていると思ってくれてたみたいで、いの一番に「やろうよ」って言ってくれたんです。

江口　そうですね。

森　　でも、江口本人はすごくやりたくないんですよ。

江口　いやいや、やりたくないっていうのは語弊があるよ（笑）。つまり、苦手なんですよ。今日の放送でも室井（佑月）さんに言われましたけど、人の目を見て喋るのも苦手なんです。

森　　でも、一緒に仕事をしてみると室井さんから「本当は優しい人なのね」って言われたりするし、ちゃんと伝わる部分はあるんですよね。だから、僕がその場所へ連れ出しちゃえばいいと思ってて。それでもまだまだ嫌だって言い続けるとは思うんですけど。

江口　嫌ではないんですけどね（笑）

森　　ただ、『ゴールデンラジオ！』に出始めた頃は、僕も大竹（まこと）さんとなかなか目を合わせて喋れなかったですね。小手先のことを喋っても見透かされそうな気がして。最近ようやく目が合う時間が長くなってきたのが個人的にはすごくうれしいですね。

江口　番組での小さな幸せだと、室井さんが身につけるアクセサリーが毎回変わるんです。今日は月をモチーフにしたペンダントだったんですけど、そういう変化をチェックするのがちょっとした幸せですね。

森　　そもそも室井さんに毎週会えるのが小さな幸せですよね。

江口　どぶろっく的な視点としては、それこそ室井さんはミニスカートや網タイツでスタジオにいらっしゃることもあったんですけど、それが結婚されてからは全然履かなくなったんです。

森　　そうそう、我々としては残念なんですよね。

江口　あと、普段の生活だと、最近ランニングやエクササイズをしている女性をよく見かけるようになったのが小さな幸せですね。なんていうか、ピッタリとしたスパッツみたいなウェアを履いてたりするじゃないですか。ボディラインがはっきり出ますよね。あれは女子的にはオッケーなんでしょうか。僕にはあれが裸でシルエットクイズをしてるように見えるんです。そういうことを密かに想像する幸せがありますね。

森　　たしかに想像する幸せというのはありますね。みなさんマスクをつけるようになったじゃないですか。最近、すれ違う女性を見てドキッとすることが増えた気がするんです。どんな顔なのか見えないからこそ、逆に想像が湧いてくる。それを実際に見せてくださいっていうのは野暮じゃないですか。

江口　うん、野暮だね。やっぱり隠すことで生まれる美しさがあると思うんですよ。アダルトビデオで、せっかく好きな職業の制服を着てたのに、最終的に全部脱いじゃって台無しになってしまうのと同じですよね。

森　　なんか違う気がする（笑）