「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」をご存知でしょうか。1999年から毎年実施されているアワードで日経WOMANが主催しています。働く女性のロールモデルを提示し、組織の中に埋もれがちな個人の業績へと目を向け、更に、その女性たちを通して時代の変化の矛先を捉えるという主旨で行われています。
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「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2021」では端羽英子さんが大賞受賞者として選ばれました。
株式会社ビザスクのCEOである端羽さんは、自身のライフイベントと共にキャリアを描くことで実績をあげた女性です。「自分のポテンシャルは自分が一番信じてあげないといけない」その様な端羽さんの言葉から得られるものは沢山あるのではないでしょうか。
女性であれば、やはり子供がいるのであれば子育てをするべき、家事を行うべきといった考え方があり、どこかでそういった指摘を受けるものです。ワークライフバランスはとても大事なことで、家族がいれば、自分のことだけではなく配偶者のことや子供の問題もついて回ります。そんな中でも端羽さんは人生の時期によってワークとライフの行き来を切り替えて満足の行くワークとライフを送られている様です。自身の会社でも、そういったワークとライフを自由に行き来できる様な環境を目指しており、女性が働きやすい環境を目指しています。
東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券投資銀行にて業務に携わった端羽さんですが、1年目という状況で子供が出来て辞めるという選択肢を取られました。仕事は午前0時に帰宅して「早い帰宅」と言われるほどの激務で、子育てを行っていくには、周りの社員や上司に迷惑をかけ、1年目と言う実績のない状況では苦しい状況の中でも、ベビーシッターをお願いすることで誰かに「ごめんなさい」とせずに、ワークへ集中することができた様です。そういったサービスや他人を頼ることは非常に大切な状況であったとも言えますが、自身のライフステージに合わせて様々なサービスを使い分けることも大切なのでは無いかと考えておられます。
止められなければ働き続けるほどに仕事が好き、と語る端羽さんは、子育てにも比重をおかなくてはいけない環境ではありましたが、自身のポテンシャルを信じ、出産した後にUSCPA(米国公認会計士)の資格試験を受け、そこからMIT(マサチューセッツ工科大学)にてMBA(経営学修士)を取得し、負い目を感じることなく自分で事業を作り起業し大きくしていきたいと思った様です。
番組内では、日経WOMAN編集長の藤川明日香さんと、その端羽英子さんにご参加いただき、熱いトークが繰り広げられました。
ビジネスの知見をシェアするビザスク
端羽 ビザスクは現在10万人の方が登録していただいているサービスです。ビジネス面に特化したマッチングを提供しています。一生懸命ビジネスをされている方であれば、すぐにアドバイザーになることができます。業界の専門知識について教えて欲しいと言った内容から、新しいことをやりたいから、こう言ったものがあれば便利になるかどうかをアンケートしたい、潜在的な困りごとを確認したい、など本当に様々な使い方がなされています。ビザスクでは、新たなBtoBを展開する際にユーザーの思いを得ることができると言った点が使われている理由でもあります。一流の方にピンポイントで聞きたいと言う相談もありますが、例えば1ユーザーとしてソフトウェアの使い勝手が実際にどうかを教えて欲しいと言うものも多くあります。
藤川 ビザスク、そして端羽さんはコロナ禍である状況で上場まで辿り着くという素晴らしい成果をあげています。株価も3倍以上になっています。
個性のタグに囚われない
藤川 「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2021」では今年7人の受賞者がいましたが、うち4人が東大卒なんですね。しかし、東大卒だからと言うわけでは無いんです。4人が4人とも東大卒というレールだから出来たわけではなく、自分自身で、このままでは駄目だという点から苦労し努力されています。自分自身を信じる力があったからこそ、成し遂げる事ができていると思います。
端羽 東大卒や女性、熊本出身、そう言ったものは個性のタグでしかないので、制限をかける必要がないと思っています。乳飲み子がいる状態で就職活動させてもらった時に何社か落ちてしまったのですが、そういう経験から、自分は東大卒というプライドなども吹っ切れたと思いますね。
浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:月曜 19:00~19:30
出演者:入山章栄
過去回:Podcast
毎週月曜日、午後7時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。
当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。