現在、日本では保育現場や子育てに関して様々な課題がありますが、それらの課題に対して取組み、家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す、を目的として掲げ保育業界で活躍するユニファ株式会社。
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高い若手保育士の離職率
現役で働かれている保育士の数は45万人程と言われていますが保育士の資格自体を持っている方は、その倍以上いることから保育の現場が過酷であることが窺えます。実際には書類仕事が多く、長時間労働を強いられてしまうことによるストレス、時間を取れない中で子供の命を預かっている立場であり、気を配らなければならず、更に保護者や上司・同僚との人間関係を問題に離職されてしまう方が多いようです。
そのような状況で、ユニファ株式会社CEO土岐 泰之さんは、世界中の家族のために人生をかけて挑むことを掲げています。元々漠然と将来経営者になりたい、起業したいといった思いがあったようです。経営者へのキャリアパスに繋がるような仕事へと就き、キャリアアップしてきましたが、奥様と共に生活するためにキャリアではなく家族を選択したことがターニングポイントであったようです。家族の大切さを実感し、人生を捧げられるテーマとして保育に着眼されたとのことでした。現場の声を聞き、実際にプロダクトの無い状態で抱いていた構想を話したところ、何人かの園長が「システムがあれば購入する」と言ってくださったことで更なる後押しとなり、本格的に始動していくことに。米国で行われた第一回スタートアップワールドカップでは優勝をするほどに評価されました。
スマート保育園で活躍するルクミーサービス
ユニファ株式会社で展開されているルクミー、様々な保育の現場で役立つサービスが含まれています。「午睡チェック」では、お昼寝の時間にうつ伏せになってしまったことを検知しアラートを鳴らし、保育士の負担を減らすと共に、子供の安全を守ることができます。その他にもサービスは充実しており、「フォト」では、先生だからこそ撮れる子供達の姿を思い出として保護者の方々とシェアすることが可能です。自動アップロードだから余計な手間は要らず、保護者の方も簡単に我が子をチェックすることができる機能も含まれており、保育園にいる時の我が子の様子を確認することもできます。
2020年11月9日の放送では、そんなテクノロジーで保育と社会を変えていく次世代型保育園、スマート保育園事業を展開するユニファ株式会社代表取締役CEOの土岐 泰之さんと、リブ・コンサルティング常務取締役の権田和士さんにご参加いただき「ユニファのビジネス」から「目指している社会」について熱いトークが繰り広げられました。
ユニファのビジネスについて
権田 介護や保育に関してビジネス面でペイはありますが、そこに対してチャレンジするのは難しいんですね。大きい産業であるのは間違い無いのですが、遅れていて分散型市場で成果もすぐには出ないようなものです。凄いと同時に大変なチャレンジをされているという印象です。
土岐 創業のテーマを考える時に自分の一生のテーマにしたいと思い、100%自分自身を投じていけるようなものを探して、絶対誰かがやるべきなのに未だやっていない、自分らしくやっていけるテーマを選んだというのが、保育で。それが自信にも繋がっている部分です。
目指している社会
入山 反応が良かったものはどういったものがありますか?
土岐 キッズリーの連絡帳アプリは良い反響を頂いていますね。朝の忙しい時に手書きで書かなければいけないというのが改善され、帰りの電車の中アプリで我が子の写真を見て、その日の様子を知った上で保育士とコミュニケーションを取ることもできます。様々なものを可視化することでクレームのようなものも減りますし、保育士と子を預ける親が良好な関係を築いていけると思います。日本の社会全体で子育てや保育が大変というイメージが強いですがもっと豊かに自由に楽しくやっていかなければ社会が成り立たなくなると思います。これを全部変えていきたいですね。チーム育児として社会的に分業し、記録をつける事や医者に見せるなどは個々で確立していくべきで、そういった社会を作りたいですね。
浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:月曜 19:00~19:30
出演者:入山章栄
過去回:Podcast
毎週月曜日、午後7時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。
当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。