7月23日に行われた第510回文化放送番組審議会についてご報告いたします。
議題は、毎週日曜日の午前9時から放送している「川口技研 Presents 久保純子 My Sweet Home」です。毎回2週にわたりゲストにお越しいただいて、家庭のことや、仕事のこと、様々なお話を伺います。聴いていて爽やかな気分になれるリスナーリクエスト曲や、ゲストからは将来子供たちに残したい曲も紹介しています。日曜日の朝に爽やかなトークと音楽をお届けする30分番組。今回は、元卓球選手でメダリストの平野早矢香さんがゲストの3月31日と4月7日の放送回を取り上げました。
審議委員の意見の概要
日曜の朝に相応しい、爽やかな番組だと感じました。ただ、内容はと言いますと、結果としてゲストのトーク次第なのかなといった印象を持ちました。せっかく世界で活躍された元オリンピック選手に話を伺うのですから、日本と海外の環境の違いや、結婚・出産後の現役復帰など聞いていただけると、より深い内容になったかもしれません。
久保純子さんは相手に嫌な気持ちを持たせないインタビュアーとかセラピストの印象を受けました。ただ、人間臭さがなくパーソナリティとしての個性が出されていないので、それが弱さに通じる部分がありますが、日曜日の午前という時間帯を考えると、あまり刺激がないこのような番組があってもいいのではないかと思いました。
非常に平板な感じがしました。久保さんがアメリカ在住のためリモートで番組収録を行っているということで、せっかくアメリカに在住なら、今のアメリカの諸々の事情を在住者ならではの感覚で発信するコーナーが短くてもいいので最後にあると、平板な感じが少しなくなるのではないかという気がします。
全体的にはちょっと平板で、聴いていて気分は悪くはありませんが、やはり変化に乏しい。これからは話の中で一つのリズムを作ったり、あるいはピークを作ったり、30分の中で流れを変えるような言葉を見つけたりして、動きを繰り出していく意識が必要だと思いました。
番組の企画意図にぴったりな30分だと思いました。ただ、印象に残りにくく、もったいないと思います。例えば、たまにゲストなしで久保さんだけでニューヨークでの話やご自身の日頃の考え方について展開すれば、もっと奥深く私たちに伝わってくるのではないかと思います。
せっかくですから久保さんの持ち味を入れていった方がいいのではないかと思います。「幼児教育」というご自身の軸足がしっかりあるので、それと「ニューヨーク在住」という二つの掛け合わせをもう少し広げていただければと思いました。
文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏、そして吉野隆氏の6名です。
2024年8月19日
文化放送番組審議会事務局