3月22日に行われた第485回文化放送番組審議会について御報告いたします。
議題は、2021年10月から始まった『阿川佐和子 ふかわりょう 日曜のほとり』です。毎週日曜日の午前10時からの生放送は、お休みの日に、縁側でおしゃべりをしているような、たわいもないトークと、ふかわりょうさん選曲の音楽で、穏やかな時間をお届けする番組です。
審議委員の意見の概要
落ち着いた番組だ。ふかわさんが選曲について触れないという方針はいいと思うが、曲を選ぶという行為にはその人の思い入れがあるはずなので何か一言、知識では無い思い入れの一端に触れられたら良いと思う。
阿川さんはインタビュアーとしての天性の才能を発揮していて、安定感を感じる。冒頭に、前回放送の話題に触れているが、違和感があるので少し説明する心配りがあっても良い。日曜の午前中にこのような番組があるのは非常にユニークで面白い。
選曲が素晴らしく、曲に関してのコメントが無いところが清々しくて良い。今は情報が溢れかえっているのであえて世の中の出来事に触れず安穏の日曜日の午前中を提供しているのだと思うが、少しは問題意識が欲しいと感じた。天気予報の鈴木純子アナウンサーは声も良く上手だ。
男女の組み合わせがどちらも大人の年齢なので、他愛ない会話が成り立つのだと納得した。情報を排除するのも良いが、生放送であるのであれば最新の話題が無いのには違和感がある。もう少し最近の話題、天気についての話があれば縁側感が出てくると思う。
コンビネーションや話題の回し方が良く非常に楽しく聴けた。時事性が入ると2人の社会的な意識が出て交差する恐れが出てくる可能性がある。全体的にくつろいだ時間を味わえるので、新しい力点を作っていけば非常にいい番組になると思う。
2つのテーマで2時間の放送というのは驚きだった。片手間に聴いて時に耳を傾けられるように、あと1、2個入れると良いかと思う。大声を上げるわけでもなく程よい2人の音声はとても良い。音楽が多いので、曲名を入れると親切かと思う。
生放送なのに「今」を感じさせる話題が無いのは勿体ない、一つでも良いので入れるとライブ感が出るはずだ。ふかわさんの音楽に対する造形、好きな拘りが表れていて素晴らしい。リスナーが参加できる感じを盛り込んだらより楽しくなると思う。
何とも緩い感じで休日の午前中に聴くのに相応しく大好きな番組だ。取り留めの無いトークだが、どこかインテリジェンスの感じが漂っているのも面白い。お2人とも普段見逃すような事に疑問を持つ遊び心がトークの肝だという気がする。
文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史、副委員長・加藤タキ、そして白井勝也、松永真理、荒川洋治、福本容子、吉野隆、若林覚の各氏8名です。(発言はこの順番ではありません。)
2022年4月18日
文化放送番組審議会事務局