1月28日に行われた第514回文化放送番組審議会についてご報告いたします。

1月は委員の講演と新年懇談会とを合わせて開催されました。文化放送齋藤社長の挨拶、弘兼憲史・番組審議会委員長の挨拶があり講演に移りました。

今回の講演者は松永真理委員で、テーマは「2025 醒めゆく時代!?」です。

「2025 醒めゆく時代!?」

今回のタイトルには敢えて主語がありません。トランプさんが再登場されて、色々なものが醒めて、世界協調というものがなくなってきている。そういう問題意識も含まれますが、私はアサヒビールの親会社のアサヒホールディングスの社外取締役をやっていますので、今回はアルコールを巡るお話にしていきたいと思います。
3つの切り口を考えていて、まず1つはアルコールを巡る世界の動き。2つ目はそれを受けたお酒メーカーの動き。そして最後は私たち生活者がアルコールとどう付き合っていったらいいのかをご紹介したいと思います。
まず世界の動きですが、いま先進国を中心にアルコールの消費量が減ってきています。ワイン大国のフランスも、ビール大国のドイツも、特に若い世代の中でアルコール離れが進んでいます。その要因は、常に理性的・生産的である必要があり酔っている暇がないことと、健康志向もその理由です。そんな中、日本では昨年2月に厚生労働省がリスクにならない飲酒のガイドラインを出したり、アイルランドでは来年5月からお酒のラベルに健康表示を入れる予定で、その見本が発表されました。黒枠に赤い字で「癌と直接的な関係がある」と表示されています。ついにお酒も煙草と同じ道を歩むのではないかと心配になってきました。
では次にお酒メーカーはこれに対してどう取り組んでいるのか。今お酒メーカーはノンアルコール、低アルコールに本気で取り組んでいます。ノンアルビールも種類が豊富でとても美味しくなってきていますし、「仕方なく飲むもの」から「選ばれるもの」というように変わってきています。そして、メーカーとしては責任ある飲酒、適正飲酒の推進強化を行っています。
最後に、では私たちはお酒とどう付き合っていったらいいのかということですが、「アルパ飲み」というものを紹介したいと思います。これはアルコール・パフォーマンスが良い飲み方というもので、ゆっくり飲むということなんです。アルコールは飲み始めてから30分かからないと酔いが回らないそうで、1杯目をゆっくり飲む。あるいは「ゼブラ飲み」というものもあり、アルコールとノンアルコールを交互に飲む方法もあります。自分の体がどういうふうにアルコールに馴染んでいくのか、アルコールと賢く付き合っていくのか。今はチェイサーも水だけではなくお洒落なノンアルのものも増えてきたので、そういうことを通して「Responsible Drinking」=「責任ある飲酒の推進」になったらいいなと思います。

以上松永真理委員で、講演のテーマ「2025 醒めゆく時代!?」の概要でした。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏、吉野隆氏の6名です。

2025年2月17日
文化放送番組審議会事務局