9月24日に行われた第511回文化放送番組審議会についてご報告いたします。

議題は、毎週月曜日の午後7時30分から放送している「笠井信輔のBUSINESS FRONTIERS」です。フリーアナウンサーの笠井信輔さんが企業経営者や専門家をゲストにお招きして、経営の舞台裏や成功の秘訣を分かりやすく語る経済番組です。現場での挑戦や決断のストーリーから、業界の最新トレンドやリーダーシップの心得など、各業界のリーダーから混迷の時代を生き抜くヒントを探る番組として、今年の4月からスタートした30分番組です。今回は6月3日と7月1日の2週分の放送回を取り上げました。

審議委員の意見の概要

聴いていて笠井信輔さんの語りとインタビュアーとしての能力が非常によく出ている聴き心地の良い番組で、色々な教訓も交えながらとても良い進行だったと思います。ただ、具体的な仕事の現場感が薄く、もう少しそちらにウエイトを置いて欲しかったと感じました。

番組の中身として、できるだけ質疑のところに時間を割いた方がいいと思うので、企業と経営者の紹介は笠井さんの方でコンパクトにまとめて最初に紹介し、そのあと中身に入っていった方が時間を有効に使えるのかなと思いました。

このような番組は、インタビュアーの力によって左右されると思います。笠井さんはでしゃばることなく、ゲストの興味深い話を引き出しているのが非常に良かったと思います。ただ、もう少し台本がしっかりしていたらと感じました。事前に調査をして笠井さんが突っ込むところを増やしていけば、もっと面白くなるのではないでしょうか。

私もそうですがビジネスや経済に関わっている者にとって、やはりもっとここを聞いて欲しいというところが物足りないというか、突っ込んで欲しいというか、別の角度で入っていかなければと感じました。もう少し迫っていく番組にした方がいいと思います。

番組の中でBGMをかけることに反対するわけではありませんが、番組そのものの内容で何を主張させたいか、何を際立たせたいのかをもう少し大事に考えた方がいいと思いました。話は心地良いのですが、途中から繰り返し流れてくる電子音のBGMが主張し過ぎていて、そっちが気になってしまうと話の内容が全く入ってこないくらいに邪魔をしていたと思います。

30分で1社の企業を紹介する場合と、2社紹介する場合があります。2社の紹介だと時間が足りないところがあって、これはどうなんだろうと感じました。逆に1社だと少し長いというケースもあるので、1曲くらいゲストの好きな曲を入れるというクッションを持たせた方がいいと思いました。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏、そして吉野隆氏の6名です。

2024年10月21日
文化放送番組審議会事務局