6月25日に行われた第509回文化放送番組審議会についてご報告いたします。

議題は、毎週金曜日の午前9時から午後1時まで放送している「くにまる食堂フライデー ~どうした!?一蔵!~」で、今年の4月にスタートした4時間生ワイド番組です。パーソナリティは、ものおじせず独特の視点で毒を絡めたトークをする落語家の春風亭一蔵さんと水谷加奈アナウンサーで、ユーモアを交えて進行します。金曜日ということで気分を楽にして、笑いながら聴くことができる番組です。今回は5月24日の放送回を取り上げました。

審議委員の意見の概要

長尺の番組だと聴く側の集中力も落ちたりするものですが、一蔵さんと水谷さんのやり取りが自然で楽しく、リラックスして聴くことができました。さすが落語家の話術というのは、緊張をほぐしながら、でも集中力をたやさない、ということなのだと思います。

4月から始まった番組で、まだまだ試行錯誤の段階と思います。各コーナーも未だバラバラ感が拭えませんが、一蔵さんという魅力あるパーソナリティとベテランの水谷アナのコンビネーションが上手くいっていると思います。今後も番組内容をより充実することにより、より面白い番組になるのではないかと期待しています。

特別なことはしないし、あまり強い言い方もしないし、弾けるようなところもあまりない。ただ時間に沿って会話を作って、それを拡大していく力がとてもある方で、春風亭一蔵さんのパーソナリティが非常に上手く発揮されていました。全体を聴いていて心地よい番組であると感じました。

言葉遣いについて、いくつか気になるところがありました。メディアの中でもラジオというのは音声、言葉が視覚以上に聴覚に訴える世界なので、きちんとした言葉遣いというのはリーダーたる責任を負っているのではないかと思っています。アナウンサーでなくてもパーソナリティになる方は、言葉遣いに対する感度や正確に日本語を使うというのは大事だと思いますし、より勉強して、学んでいく必要があるのではないかと思っています。

春風亭一蔵さんという人はどんなタイプの噺家さんなのか興味津々で聴きました。一言でいうと、この方は面白い。笑いのネタは毒舌というか、ややブラックなところが好きですが、結構ぎりぎりのところで笑いを取るので、少しハラハラしながら聴きました。一つ間違えると反感を買うようなことになるかもしれないので、そこは少し気を配った方が良いかもしれません。

期待通り、というか、期待以上に楽しく、金曜日だからこそのラクに聴ける番組進行がチャンとよく練られていて、最後まで飽きさせない構成でした。春風亭一蔵さん、真に奥が深く、落語家としての厚みがあり、今後おおいに注目したいと思いました。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏、そして吉野隆氏の6名です。

2024年7月22日
文化放送番組審議会事務局