1月23日に行われた第504回文化放送番組審議会について御報告いたします。
1月は委員の講演と新年懇談会とが合わせて開催されました。文化放送社長の挨拶、弘兼憲史・番組審議会委員長の挨拶があり、講演に移りました。
今回の講演者は、コーディネーターの加藤タキ副委員長で、講演のテーマは『私が思う国際人とは』です。
その概要をご紹介します。

(加藤タキ氏講演会「私が思う国際人とは」)

私の場合は、英語を勉強して言葉が出来るから、コーディネーターになったわけではありません。私がこの仕事でお役にたっているとするなら、小さい時からアメリカに行き、彼らの民主主義のあり方を肌で感じ、アメリカ人はこういう物の考え方をする、日本人はこう考えるだろう。どうして表現がこんなに違うのだろうと、考える機会を持ってきたからだと思います。

私情を交えず正確に速やかに伝えるのが通訳の仕事ですが、そのまま訳すとギクシャクしたり、スムーズでなかったりします。目標は記者会見が成功し、CM制作が成功することですので、言おうとすることを察知し意訳することが、結果としてコーディネートをしたということになります。日本の冗談が、外国では全く通用しない事があります。逆に、外国の方がおっしゃったジョークが日本人に響かないときも、訳さずにさらりと流します。大谷翔平選手の通訳の水原さんも同じかもしれません。
日本人も近頃は変わってきましたが、阿吽の呼吸でコミュニケーションを取ることが多いです。西洋の方々には阿吽の呼吸では伝わりません。まず自分が好きか、自分以外の人に関心があるかということが大事になってきます。同じ民族でなくても相手に興味があるという所から始まることが、国際人になる、国際化するということに繋がるのではないかと思っています。

女性初の代議士になった母の加藤シヅエと私が長く交流を持たせて頂いたオードリー・ヘップバーンさんに共通していたのは、挫折を怖がらない点です。子育ても同じ。挫折しそうになった時、危ないと手を差し延べるのではなく、自分で立ち上がり転ばなくするにはどうしたらいいかを考えさせることに意味があります。これからもこういう母の教えや、私がオードリー・ヘップバーンさんの生き方から学び取ったことを参考にしたいと思っています。

以上、加藤副委員長の講演『私が思う国際人とは』の概要でした。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、委員・松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏、吉野隆氏の6名です。

令和6年2月19日
文化放送番組審議会事務局