10月24日に行われた第502回文化放送番組審議会についてご報告いたします。

議題は、毎週日曜日の午後1時30分から午後2時の30分間放送している「編集長 稲垣吾郎」です。番組コンセプトはタイトルにもある通り「雑誌の編集部」となっていて、稲垣吾郎さんを編集長に見立て、リスナーが編集部員となり様々な耳より情報や最近のトレンドをメールでいただきそれを紹介していく番組です。制作担当者は、メインターゲットを稲垣さんファンの30から50代の女性と考えています。今回は8月27日と9月24日の放送回を取り上げました。

ビカクシダの回で、「メディア、ネットなどから得られる情報は 50%信じ、残りは 自分の経験で埋めるように」という貴重なメッセージを引き出していたのは良かった。 稲垣さんが適度に素人であるため、素朴な質問が良いなと感じる場面もあったが、もう少しテーマを掘り下げたり視野を広げたりなど、メリハリのある進行にも期待したい。刺激や発見のある楽しい番組だ。

コラム、リサーチ、エッセイの区別ははっきりした方がいい。稲垣さんはある種の知性派なのでとてもスマートな語りで、若い人たちが近寄らないテーマだけど自分は興味を持って寄り添っている。内容的にはこれからドンドン面白くなるのではないか

稲垣さんのファンからの投稿がほとんどだと思う。むしろファンではない人たちの投稿を取り上げる機会を持った方が、ターゲットとするリスナーの幅が広がるのではないか。稲垣さんの女性ファンに絞ってしまうと面白くないし、もっと対象を広げても十分に楽しい番組だと思う。

稲垣さんの語りがゆったりしていて本当に良い。落ち着きがあり、声がいいし、語り口が柔らかく聴き易いと思った。「これは漢字で書けない」「これは何だろう?」とならないようにして、稲垣さんの優しいトークで話していただくとすんなり(番組に)入れると思う。

ターゲットを女性に絞らなくても彼のパーソナリティと知性と好奇心があれば、どんどんリスナーの幅が広がると思うので上手に彼を育てて欲しい。忙しいとは思うが、もう少し熱心に彼が番組に取り組むと、より深いものになると思う。

稲垣さんのファンのための番組という感じがしてしかたがなかった。その人たちの間で楽しんで盛り上がっていて、稲垣さんを称えるメールはファンの人が出している感じがする。コンセプトが30代~50代の女性となっているが、ターゲットを絞らなくてもいいのではないか。絞らなければもっと違う話題がたくさん出来ると思う。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏、そして吉野隆氏の6名です。

2023年11月20日
文化放送番組審議会事務局