5月23日に行われた第498回文化放送番組審議会について御報告いたします。
議題は、本年3月29日19時00分から放送した特別番組「知っていますか? ロービジョン~0と1の間Vol.2 」です。
ロービジョン者とは、病気や事故など何らかの要因で日常生活に支障がある視覚障害者です。この番組はロービジョン当事者の文化放送ディレクターが、自身の体験と取材した情報を基にサヘルローズさんとお送りした番組です。
審議委員の意見の概要
ロービジョンという言葉は初めて知った。白杖についてクイズ形式にした事はとても良かったと思う。サヘルさんのアシスタントは非常にいい形で言葉が入っていて番組を一層クリアにしていた。我々がどうしたら良いかという事を考えさせる大きなきっかけになり、とても広報性のある大事な番組だ。
1回目と2回目に差別化を付けた上、2回目は初めて聴く人を意識して番組初めにイントロダクションをした方が良い。私は、人が助けるというのが基本だと思っている。あまり技術に頼らないようにしていかないとコミュケーションがなくなってしまう、問題を解決する上でどちらを強く打ち出したいのかが今回は分かり難かったので、この辺をクリアにした方が良いと思った。
ロービジョンという言葉を誰でも分かるように定義しないと、議論が進みにくいと感じたが、それを普及させるという狙いは明確で十分に伝わっていたし、もっと知りたいという大きな動機付けにはなったと思う。「アシラセ」と「AIスーツケース」の話はもう少し分かり易いようにした方が良かったかもしれない。
「0と1の間」という部分には制作者のコンセプトを感じたが、「Vol.2」が分かり難く、「第2弾」のようにした方がクリアになると思う。科学技術はどんどん小さく、便利になっている、自分の道しるべが持てるという安心感は非常に大きく、このような進歩を、広めていって頂きたい。
制作者自身の発想から生まれた番組で、初めて知ることが多く素晴らしい番組だ。これによって多くの方が役立つので自信を持って欲しいし、サヘルさんも聴き易く、ぴったりの人選だ。また井上眼科病院の若倉名誉院長のお話も大変参考になった。
トーンが暗くなりがちな内容だが、前向きな姿勢で良かった。ラジオなので、視覚障害で活躍したアーティストの曲を入れるなど、多少エンターテインメント的な部分があった方が聴き易いかもしれない。第3段があるとしたら、心の在り方などを紹介するのも良いかもしれない。
文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして 松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏、そして吉野隆氏の6名です。
2023年6月19日
文化放送番組審議会事務局