10月25日に行われた第492回文化放送番組審議会について御報告いたします。 議題は今年4月から始まった毎週土曜日夜7時から放送の『カラフルブーケ』でパーソナリティは福井セリナさんです。女性特有の悩みや、自身のセクシャリティを後ろめたく思ったりしている人に寄り添いたいという思いから発足したプロジェクト『わたし+○○贔屓(わたしびいき)』の一環で、今回はみたらし加奈さん、及川夕子さんをゲストに迎えた回を取り上げました。

審議委員の意見の概要

内容がタイムリーでいい番組だ。ただ思ったより具体的な事例が出てこないのでもう少し問題に踏み込んだら分かり易くなるかもしれない。また男性側の視点をどのように取り込んでいくかも課題になると思う。全体的に学ぶところが多いので、工夫をし、いろいろな立場の女性に登場してもらい、問題を照らしていって欲しいと思った。

土曜日の夜7時に放送していることに驚きと敬意を表したい。福井さんは非常にクレバーで難しいゲストを相手に、センシティブな問題を進行している。ただ、少々棒読みになる部分があるのが気になる。フェムテックの考え方は非常に勉強になるので、今後も更に多彩なゲストを迎えていくことを期待する。

硬派な内容で考えさせられることも多かった。みたらしさんの説明は非常に簡便な上、論旨も明確で、及川さんもやんわりした言い方だが分かり易くて良かった。パーソナリティとゲストのプライベートな話を冒頭だけにしているのは、番組の論旨がぼやけなくて良いと思う。

時世を上手く捉えた番組だ。福井さんが薬剤師ということで、女性の体や医学的な事に詳しいのが売りだと思う。ただ、フェムテックといってもそれほど浸透しているわけではないので、もう少しジャーナリスティックな切り口で説明した方が良いかもしれない。

今まで馴染みのない内容で1時間放送することは、非常に意義があり敬意を表する。 ただ、音楽が癇に障る、もしかしたら心を病んでいるリスナーもいるかもしれないことを想定して欲しい。

素晴らしくて面白く、応援したい番組だ。1時間番組なので番組中に今日のゲストが誰かなど、丁寧な説明があっても良いと思う。次世代を先取りすることには時間がかかるが、忍耐強く自分達が良いと思っていることを更に発展させていって欲しい。

刮目に値する番組だ。ただ男性には蚊帳の外感があって入り込めなかったところがある。内容が真面目なので、ラジオ番組としてはもうちょっと砕けても良いかと感じた。意識の高い方以外は入り込みにくいと思うので、もう少し柔らかくすると聴き易くなるはずだ。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史、副委員長・加藤タキ、そして白井勝也、松永真理、荒川洋治、吉野隆、若林覚の各氏7名です。
(発言はこの順番ではありません。)

2022年11月21日
文化放送番組審議会事務局