9月27日に行われた第491回文化放送番組審議会について御報告いたします。 議題は8月11日(木・祝)11時00分から放送した特別番組『ビューティフル・メロディーズスペシャル』です。通常は毎週土曜日の午後7時からの5分番組を2時間のスペシャル版として放送しました。特別番組では、今までに放送したゲストのコメントと楽曲を年代別にまとめ、時代背景とともに紹介、さらに、特別番組用に加山雄三さんのコメントと西田敏行さんのインタビューを加え、聴きごたえのある内容になっています。

審議委員の意見の概要

曲の紹介が長すぎず短すぎず、また、曲が終わった後の水谷アナの受けの頃合いも良い。2時間番組のゆとり感があり、パーソナリティを1人にしたのも正解だ。一つ挙げるとしたらタイトルの工夫で、ゲストのコメントがあることが分かるようにしても良かったと思う。

音楽を聴いていた頃の自分に戻って思いを馳せられるという、ラジオならではの特性を生かした企画で着眼点が良い。ただ、土曜日の20時前に聴くリスナーがどのくらいいるかというビジネス的な疑問はある。音楽面の解説をもう少し増やしていくとより良い番組になると思う。

ゲストそれぞれの音楽にまつわるエピソードが非常に面白かった。曲の受賞歴を紹介するより、曲を長くかけたりエピソードを紹介した方が良かったと思う。水谷アナは余裕のある進行ぶりで話の引き出し方も上手い。構成、ゲスト、進行など100点に近い番組だ。

西田さんのお話は、青春期に出会った曲に対する気持ちの高揚が伝わってきて面白かった。タイトルに合わせるよう、曲のメロディーに関する説明、コメントにもう少し触れたら良かったと思う。全体的に非常にテンポよく、その音楽に対する親しみや懐かしさが蘇るような良い番組だった。

8月祝日の番組編成としてはとても良い立派な番組だ。5分間という時間の使い方が手際よくかつ、短時間でもかなり情報が盛り込めるのだなと感じた。今後はぜひ、もう少し古い時代の曲や邦楽で構成してみるのも良いと思う。

音楽の前奏の入り方が丁度よい塩梅で、音楽が好きな方が一生懸命考えて作っていることが伝わってきた。水谷さんのコメントはとても良いが、少々個人的な事が入り過ぎるかなと感じた。2時間の特別番組としてはとても良くできている。

本当に楽しく心地よい2時間で、何度も聴きたくなる番組だ。頻繁に特番として放送すると土曜日の放送時間に合わせるリスナーも増えるかもしれない。水谷アナが紹介する曲にまつわる補足的な情報はとても新鮮で、知らなかったこともあり、改めてその曲に興味が持てるという、非常に親切な音楽番組だと感じる。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史、副委員長・加藤タキ、そして白井勝也、松永真理、荒川洋治、吉野隆、若林覚の各氏7名です。
(発言はこの順番ではありません。)

2022年10月17日
文化放送番組審議会事務局