7月26日に行われた第490回文化放送番組審議会について御報告いたします。
議題は、今年4月から始まった、毎週月曜日から金曜日17時30分から放送の「桂宮治のザブトン5」です。桂宮治さんは今もっとも「旬」な落語家です。 プライベートの話や、リスナーから届いた人生相談にのるコーナー、落語についてわかりやすく教えるコーナーなど、曜日別にコーナーを設けて平日の夕方にリスナーへ笑顔を届けています。

審議委員の意見の概要

今回に限ってはきわめて当たり前のことを話していて楽しめなかった。良い方だと思うが、これだけでは彼の生きざまにリスナーは納得しないと感じる。何か大胆な発言を残しながら、次の日に向かっていかないと飽きられてしまう可能性があると思う。

笑いが取れていない感じがする。面白くするには、弾みでものをいうところもあるが、ある程度事前に考えておく時間が必要だと感じる。宮治さんはこれからの方なので、再考していけば良い番組になると思うが、今はまだ不満な要素が感じられるのが正直な感想だ。

街の魅力を伝えるコーナー、人生相談、高座名の由来の話はとても面白かった。スタジオだけでなく『出前寄席』のように、外で収録をするのも、立体的な展開になって良いと思う。実体験に裏打ちされた話は説得力もあり、面白く、長寿番組になる可能性を感じる。

聴き易い番組に仕上がっている。宮治さんが落語家らしい話し方ではなく、標準語できっちり話しているのが良かった。西川さんは距離感を大切にしながら言葉のやり取りが自然で、非常に聴き易い雰囲気を醸し出している。今後の健闘を期待する。

リスナーからお題を頂戴してそれに答える手法は良いが、答えが余りにも普通過ぎて面白味が無く、もうひと捻りした芸が必要だと感じた。安心して聴けるが落語家として聴くには物足りなさがある。これから伸びていく方だと思うので、お題の出し方を工夫したら良いのではないだろうか。

可もなく不可もなくという感じだ。安心して聴く事ができたが今回聴いた中では全く棘が無い語り口だったので、これで良いのかという疑問を持った。しかし、最近はいろいろ嫌なことが起きる世の中なので、リスナーが安心して聴ける穏やかな時間になると期待をしている。

短い時間なので何となく中途半端な感じが全体的にあり、特に悩み相談ではあまり的確に答えていなかった感じがする。収録時の調子には差があると思うので、全部彼に任せるのではなく、スタッフが一緒に考えるということをしても良い気がする。いい意味での毒が無いと面白くならない、いい人過ぎるという感じがした。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史、副委員長・加藤タキ、そして白井勝也、松永真理、荒川洋治、吉野隆、若林覚の各氏7名です。
(発言はこの順番ではありません。)

2022年8月22日
文化放送番組審議会事務局