6月28日に行われた第489回文化放送番組審議会について御報告いたします。
議題は、毎週月曜日から金曜日11時00分から生放送の「くにまる食堂」です。
これまで5000人以上のゲストを迎えている野村邦丸が居心地の良い空間を作り出します。今回は、デビュー50周年の西城秀樹さんの特集を放送した5月4日を取り上げました。佐藤利明氏による構成で西城さんの音楽人生をパートごとに振り返りつつ、リスナーの熱いメッセージも交えながら名曲の数々をお送りしました。
審議委員の意見の概要
佐藤さんの選曲はかなり綿密で、関連したトピックスも興味深く聴くことができた。 ファンからの熱い投稿を聴きたかったので、紹介が少なかったのは残念だ。 邦丸さんのようなベテランを起用するのは安定感を感じるが、新鮮味に欠ける印象があり、新風を吹き込むチャレンジも期待したい。
「くにまる食堂」の特別編だったので、各コーナーのクレジットに少し違和感があった。邦丸さんのゆったりしたオープニング、佐藤さんの知識と教養に裏打ちされたコメント、構成、選曲はみな素晴らしく、見事なスペシャル番組になっていた。
感情過多にならずに客観的にその良さを伝えていてる上、音楽を楽しめるゆとりも与えてくれた。聴いていて胸に迫るものがあり、非常にいい形で番組を作っている。このようなスペシャル版ができるのも「くにまる食堂」のひとつの広さだと評価したい。
丁寧に選曲と構成をなさったのが良く伝わってくる2時間で、感動しながら聴けた。改めて早すぎた西城さんのご逝去を惜しみ、残念に思う。邦丸さんは安心して進行なさる方で、変に迎合しないところが良く、聞き役でもあるというプロフェッショナリティを感じた。
リスナーからの反響が大きかったのではないかと感じた。2時間を飽きることなく楽しく聴けたのは、佐藤さんの豊富なデータによるトークがあったからだと思う。このような特番を、『くにまる食堂』を利用して、一人のアーティストにフォーカスする企画はなかなか良く、年に何回か放送をしてほしい。
まさに「ザ・昭和」という感じで、ラジオが歌謡曲とともに輝いていた時間を思い出させてくれる番組だった。往年のファンにとっても興味深く聴ける番組だったのではないか。ファンやリスナーからの思い出メールをもっと多く紹介して欲しかった。
ほっこりする会話が展開するのも邦丸さんのなせる技で、お昼にふさわしい帯番組に仕上がっている。佐藤さんの解説は優しさに溢れ聴き応え充分だった。邦丸さんの音楽好きと相まって長年の西城さんファンにも納得の内容になっていたと思う。
文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして白井勝也、松永真理、荒川洋治、吉野隆、そして若林覚の7名です。(発言はこの順番ではありません。)
2022年7月19日
文化放送番組審議会事務局