第23回のゲストは
ライフビデオ株式会社代表取締役ディレクターの土屋敏男さんです。
日本テレビ「電波少年」の「T部長」と言えばわかる方も多いことでしょう。
現在は日本テレビが立ち上げた新会社で
個人向けの映像作品の制作などに携わっていらっしゃいます。
「代表取締役ディレクター」とは珍しい肩書きですね。
土屋さんはいつまでも「一ディレクター」でありたい、とおっしゃっていました。
そして、土屋さんといえば、「電波少年」です。
萩本欽一さんやテリー伊藤さんに番組作りを学んだ土屋さんは
新しいものを追い続ける姿勢に感銘を受けられたそうです。
「電波少年」の猿岩石の企画はとある芸人のドキュメンタリーであり、
「剥き出しの人生の面白さ」だと表現されていました。
現在携わっていらっしゃるのは、個人個人の人生に着目した映像を作る事業。
もともとのテレビのバラエティは、たくさんの人のためのものですが、
決して、誰かの人生に必ず必要なものではない。
であるなら、誰かひとりのためのTVを作ってもいいはずだと思いついたそうです。
自らの過去を振り返ることで、新たな発見があり、
毎日のように自分の映像を見ている人もいるとのことでした。
そしてもうひとつ、土屋さんが携わっているのが「鎌倉今昔写真」
鎌倉の同じ場所の過去の写真と今の写真を見比べることで、
世代を越えたコミュニケーションを生み出す、というもの。
ライフビデオ同様、個人の記憶の面白さに注目されていますね。
さて、近年ではメディアのあり方などが問われていますが、
土屋さんはインターネットの台頭で、よりテレビは公的なものになり、
やってはいけないことが増えた、と分析されていました。
今までは出来たものが「なんとなく止めとこう」の繰り返しで
「しない」から「出来ない」に後退していく、
そして一度出来なくなると、それを出来るようにするのは難しい。
このことを作り手は意識する必要がある、と力説されていました。
そして、日本のバラエティはとてもレベルが高く、
インターネットを通じたコンテンツはもちろんのこと
最初から英語で企画を立ち上げるなど、
さまざまなことに携わりたいとおっしゃっていました。
「一ディレクター」であり続ける土屋さんがどのような作品を生み出すのか、
今後も目が離せません。
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さて、次回のゲストは
株式会社K-engine代表取締役社長の喜久川政樹さんです。
第二電電に入社され、後のウィルコムに出向。
その後、住宅設備機器業界に転身された方です。
建築現場のIT化を目指す喜久川さんに
現場の現状や、今後の展望など、幅広くお話を伺います。
お楽しみに!