先日、試写会に行ってまいりました。
≪林家たい平さん主演の映画『もういちど』≫
前回、深川江戸資料館にて最終カットの撮影現場にお邪魔した、
あの映画がついに完成。初お披露目でした。
普段一緒に番組をやっている師匠がどんな風に出てくるのか...
ドキドキが止まりません。
くにまるアナも珍しく真剣な表情です。
まずは、
[企画*主演]林家たい平さんと[監督]の板屋宏幸さんのご挨拶から。
お二人とも、
かなり緊張されているのが表情から伝わってきますね。
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実は、始まる前、たい平師匠の控室に顔を出していた、私。
いつになく緊張した面持ちの師匠と、
落ち着かなくて部屋の中をウロウロしている板屋監督が
とても印象的でした。
ずっと温めてきたものを初めて披露するのは、いくらキャリアを積まれているお二人だからとはいえ、特別なものですもんね。
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みなさんと同じ気持ちで一緒に映画を見たいから、まだ完成した映画を見ていないという、たい平師匠。
それだけ監督にすべての信頼を置き、作ってこられたことがよくわかります。
そしてついに≪映画、上映≫
涙がぶわっと溢れました。
舞台は江戸時代、深川の長屋。
ある事情で噺家修行をあきらめ、この長屋に越してきた男、たい平。奉公先の子どもたちにいじめられ、しばらく両親の元に帰ってきた少年貞吉。ひょんなことから、たい平は貞吉に落語を教えることになってゆく...。
あの時代ならではの、人の距離感。
家族、ご近所、大家...すべてが大きな家族のように温かい空間でした。
長屋の四畳ほどの「狭い空間」は人の絆を深めていたんですね。
たい平師匠もおっしゃっていましたが、
普段は悪い意味でしか使わないけれど、『狭いっていいなぁ』と思いました。
インターネットが普及する一方で、現実の世界でのコミュニケーションが不足してきているといわれる今。生身の人間なんだから、現実の交流を無くしてはいけないなぁと強く感じました。
一緒に腹を抱えて笑いあう、
悲しいときは泣けばいい、
みんなそこにいるから大丈夫。
そうやって我々日本人は、どんなことがあっても、もういちど踏み出してきたんですね。
☆★☆
落語がテーマになっている映画ですので
おなじみのアレもでてきますよ。
美味しそうに蕎麦を啜るんだなぁ。たい平さんも、貞吉も。
落語の知識がなくても大丈夫です。言葉ではなく、内容で落語の知識が入ってくるので感動しました。説明が多すぎないのに、気が付いたらその世界にどっぷり浸かっていた私でしたよ。
☆★☆
上映後は会場内、拍手喝采でした。
たい平師匠と板屋監督は、座席から再び舞台へ。
思わず、涙でくしゃくしゃに崩れた師匠の顔。
板屋監督の無言の抱擁。
さらに目頭が熱くなった瞬間です。
『感無量とは、この日のためにある言葉なのかと思うほど』
たい平師匠と板屋監督が出会ったのは2013年8月30日。
撮影の舞台、深川江戸資料館を訪れたのは9月5日。
映画のあらすじの初稿を書いたのは10月10日。
東京都江東区との撮影条件交渉の合意は2014年1月16日。
製本のための脚本の完成稿をなんとか書き上げたのは1月18日。
紆余曲折有りながらもクランクインしたのが1月23日。
クランクアップ後仕上げ作業をして、完成したのは6月10日。
最初の出会いから11か月と3週間後の2014年8月23日、映画公開。
「想い」が「縁」を結び、「縁」は「愛」を紡ぐ。と監督はおっしゃいます。
主題歌は、ハマショーこと浜田省吾さんの「君に捧げるlove song」映像が浮かび上がってくる素敵な曲です。
すべての物事は縁で成り立っていると深く感じられる作品。
ぜひ、家族で観ていただきたいと思います。
「忘れかけていたものを取り戻せる」―そんな映画です
私も、もういちど 観たいなぁ と思っています。
落語のみならず多才な才能を発揮するたい平さんの魅力を存分に伝えつつ、一日を「大安吉日」のように縁起良く、明るく楽しく過ごすためのヒントがぎっしりと詰まった、朝から元気になれる30分のトークプログラムです。