今週は、テレビドラマにもなった「満州の星くずと散った子供たちの遺書」などの著者で、戦後満州の「日本人難民収容所」で過酷な体験をされた増田昭一さんに小田原の自宅でお話を伺いました。
17才で職業軍人の父とともに家族で満州に渡った増田さんは、学徒としてソ連の戦車に突撃する部隊に急きょ編入され、九死に一生を得ます。そして戦後は旧満州の新京に作られたソ連の難民収容所に収容されました。そこは、子供たちが飢えや寒さ、病気で次々に命を落とす厳しい所でした。今週の放送では、その増田さんが父親が部隊長を務める部隊に編入され、自殺部隊としてソ連の戦車に立ち向かった際のお話をご紹介しました。戦後の収容所での過酷な体験は木曜日更新予定のPodcastでご紹介します。
聞き手と語り手、逆転の図(汗)
なお、増田さんのインタビュー様子は、8月26日付けの小田原の地元新聞「神静民報」でも掲載されました。
戦後すぐに創刊された伝統のある地元紙です。ご紹介ありがとうございました!
アーサーのインタビュー日記
残留孤児という言葉にはどうしても違和感を覚えてしまいます。彼らは自分たちの意志で残ったわけではなく、様々な事情で残された、あるいは捨てられたのです。増田さんは残留孤児たちとともに難民収容所で過ごして、亡くなっていく子供たちと触れ合いました。そして何も語れず人生を終えた子供たちの物語を引き継いでいます。しかし同時に軍人の息子として増田さん自身も最後の戦争体験があります。軍隊という組織、政府と植民地という組織がどういうものなのかという事を若者の体験として持っています。増田さんの話を聞くと、残留孤児を残した側とひとりひとりの生き延びようとした側の両方が具体的に見えてきます。