戦後70年特別企画 アーサー・ビナード『探しています』

毎週土曜日 早朝5:00〜5:10
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反骨の報道写真家、福島菊次郎さん

戦争、公害、学生運動、そして原発。カメラを片手に時代の軋みを追いかけ続けてきた福島菊次郎さん。10年に渡って被爆者の生活を追い続けた「ピカドン ある原爆被災者の記録」をはじめ福島さんがフィルムに焼き付けてきたのは「ニッポンの嘘」。笑顔の奥で94歳の眼光が鋭く光ります。

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福島さんの熱い語りは2時間以上におよびました。というより勝手に長居して聞き込んでしまいました、申し訳ありません。


なお、文化放送は放送時間が来週から土曜日の朝5時〜5時10分に変更となります。時間も15分から10分と短くなり残念無念ですが、政治的圧力があったわけではありませんのでご安心下さい(^^;; 引き続きご愛聴宜しくお願いします。

なおその他の放送局に時間変更はありません。来週のゲストは映画監督の高畑勲さんです。

アーサーのインタビュー日記

福島さんは「あの戦争は命の使い捨てだった」と怒りをこめて繰り返しました。福島さんは「命というものは使い捨てじゃない」「命の価値は無限にあるんだ」という大きな肯定があるからこそ、嘘やまやかしに斬り込んでいくのだと思います。軍隊は死を恐れさせないためにものを考えるという行為を奪います。しかしものを考える機能を奪われた軍隊時代の後、8月15日を境に徹底的に深く考える今の福島さんが誕生しました。ものを考えなかった時代の自分もまな板に乗せて今のニッポンの嘘に挑み続けているのが福島さんという方です。

窪島誠一郎さん「無言館は死の証ではなく、生の証なんです」

今週は、長野県上田市の小高い丘の上に立つ「無言館」の館長、窪島誠一郎さんに文化放送の屋上サロンで話を聞きました。

「無言館」は、戦没画学生たちが遺していった作品を展示した美術館です。志半ばで太平洋戦争に散っていった彼らの作品ですが、青春をカンバスにぶつけたエネルギーがほとばしり、我々に生きるパワーを与えてくれます。他に類を見ないこの美術館はなぜ生まれたのか?そしてなぜ生きるパワーを与えてくれるのか?長身でダンディーな窪島さんが、アーサーさんに熱く語ってくれました。

窪島さんと.JPG

2人とも顔が濃いですね。

無言館のホームページはこちらです → http://www.mugonkan.jp/

4月29日(水)、無言館には、漫画家のちばてつやさんが来館して成人式が行われます。

詳しくは無言館までお問い合わせください。

 

アーサーのインタビュー日記

窪島さんが集めた画学生たちの絵を見つめていると、死を覚悟してもなお絵を描き続ける事をやめなかった彼らの声が聞こえてきます。現代を生きる僕たちに「ところで君は今日という日をどう使うの」「人生の残りの時間をどう過ごすの」と突きつけてくる気がします。一所懸命生きていた彼らの姿を想像する事で、70年前に失われたものの大きさが浮かんできます。
窪島さんは幼少の頃の自身の太平洋戦争体験を「低温やけどのようなものだ」と表現しました。1967年に生まれた僕もまた、故郷のデトロイトとベトナムの戦場がつながった「低温やけど」を経験しています。実は低温やけどを持っていない人はいないのではないでしょうか?最後に窪島さんはこう言いました。「たった70年で風化はない」と。

海老名香葉子さんに東京大空襲の話を伺いました

今回は落語家・初代林家三平さんの妻で、エッセイスト、戦争の語り部として活動されている海老名香葉子さんの根岸のご自宅を訪ね、東京大空襲の話を伺いました。この空襲で両親、兄弟をはじめ親族18人を亡くした海老名さんの思いはただひたすらに「平和」です。

 

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実はこの後、カレーをごちそうになってしまいました。戦後の過酷な食料不足の話を伺った後でしたので、ご飯を食べられる事の有り難さを痛感しながら頂戴しました。

なお、PodCastは現在準備中です。もうしばらくお待ち下さい。

 

アーサーのインタビュー日記

僕はアメリカに生まれ育ち東京大空襲があったことすら聞かないまま大人になりました。東京に住みついてから、原爆投下よりも5ヶ月も早く一夜にして10万人以上の人が亡くなった空襲の話を知りました。海老名さんは戦争を終わらせる決定権を持つ人達もあの炎を見たはずなのに、なぜ戦争を終わらせなかっのたという素朴な疑問を「両親は犬死にをした」という言葉で突きつけます。僕も爆弾を落とした国の人間として同じように矛盾を感じます。海老名さんは最後に「日本もアメリカも関係ない。戦争というものがいけないのだ」とお話しされました。東京大空襲は一番弱い立場にいる一般市民を犠牲にしたものです。パールハーバーで殺された米兵も軍の組織の中で一番弱い立場にいた人たちです。

アーサーの探す旅、今日から始まりました

アメリカ生まれの詩人、アーサー・ビナードが70年前の戦争を訪ねる旅に出ました。

来日して25年、中原中也賞を受賞するなど詩の世界で活躍してきた アーサーさんの目線は、世界中で平和な暮らしを願う「普通の市民」の目線です。

いろいろな立場で戦争と向き合った皆さんの話の中に、未来を良くする智恵を探し求めて

アーサーさんはマイクを片手に70年前の戦争の語り部を訪ね歩きます。

一回目は、アーサーさんが自分自身を語ります。

 

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時折、寄り道もします(苦笑)

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