第160回〜待つ/太宰治〜

みなさん、こんばんは。
お休み前のひと時、いかがお過ごしですか?
小説や民話、童話や絵本、ライトノベルなど、毎回様々な「おはなし」を
能登さんの美しい朗読でお送りする『能登麻美子 おはなしNOTE』。
さて、第160回目は『待つ』をお送りしました。

 

作者は太宰治です。
とある若い女性が、駅で毎日誰かを待ち続けるというお話です。
彼女は一体誰を待っているのでしょうか...?

 

何者かを待ち続ける彼女ですが、いつ来るのかわからないものを待つのはつらいですよね。
ちなみに、太宰治には「待つ」ことについて次のようなエピソードがあります。
友人の井伏鱒二の紹介で熱海の宿に泊まって執筆をしていた太宰だったが、
「お金がない」と当時の妻・初代に連絡します。
そこで初代は小説家仲間の檀一雄にお金を持っていくように依頼し、
檀氏は太宰の元へお金を持っていくが、結局二人で飲んで使ってしまいました。
結局、太宰は菊池寛に金を借りるために、単身東京に帰ります。
しかし何日も帰ってこない太宰に痺れを切らし、東京へ帰ると
太宰は井伏の元でのんきに将棋を打っていました。
その姿に激怒した檀氏だったが、太宰はこんなセリフを言います。
『待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね』
みなさんは待つ方がつらいですか?待たせる方がつらいですか?
状況にもよるとは思いますが、待つという行為はなかなかに大変なものですよね。

 

この番組では毎回読み物に合ったドリンクをご紹介しています。
今回は『ジン・トニック』でした。
次回はカクテル「花椿」をご用意ください。
どんなお話がくるのかお楽しみに!

 

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そして、朗読CD第3巻が発売中です。
新規録り下し作品は宮沢賢治の『シグナルとシグナレス』です。
第1巻・2巻同様、「超!A&Gショップ」もしくは文化放送地下1階にある「ちかQ」にてお買い求めください。

 

 

それではまた、木曜日の深夜をお楽しみに!!

番組内容

小説や物語、民話や絵本、童話、ライトノベル、詩などあらゆるジャンルの作品を
「朗読」します。

放送時間

毎週木曜日26時30分~27時00分
リピート:毎週金曜日14時30分~15時00分
AG-ON:毎週土曜日 正午更新
1週間オンデマンドで配信
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