みなさん、こんばんは。
お休み前のひと時、いかがお過ごしですか?
小説や民話、童話や絵本、ライトノベルなど、毎回様々な「おはなし」を
能登さんの美しい朗読でお送りする『能登麻美子 おはなしNOTE』。
第32回目は『デイモンとピシアス』をお送りしました。
元はギリシャの伝承にあったお話で、それを鈴木三重吉さんが翻訳したものです。
二千年前、ギリシャが地中海で幅を利かせていた時代。
ディオニシアスという男は人が信じられず、さまざまな暴君をはたらいていました。
そんな暴君ディオニシアスのエピソードでとても感動的なものがありました。
それが「ピシアスとデイモン」のお話です。
ピサゴラスという学者の学徒の一人だったピシアスは、ディオニシアスに反抗していると睨まれて、
捕縛されてしまいます。
ピシアスは仰せのままに殺されよう、しかし一度家に帰ってすべてを片付けてから必ず戻ってくる、といいます。
しかし、そんなことを信じるはずもないディオニアスはその願いを嘲り笑います。
そこに、身代わりになるとデイモンが申し出たのです。
もしピシアスが帰ってこなければ、自分を殺してくださいというデイモンに驚いたディオニシアスでしたが、
デイモンの馬鹿さ加減をみるのにおもしろい、とその申し出を受け入れます。
処刑の時間が迫るなか、デイモンはなんの迷いもなくピシアスを待っていました。
そして、死刑執行のその直前、ピシアスは約束通り帰ってきたのです。
二人の友情に感動したディオニシアスは「私もどうか仲間にいれておくれ」と二人の手をとるのでした・・・
このおはなしを聞いた人はお気づきかと思いますが『デイモンとピシアス』は
太宰治の『走れメロス』の元になったお話です。
『デイモンとピシアス』にさらにシラーの「人質」という詩を参考に作られたのが『走れメロス』だったのです。
『走れメロス』に原作があったなんて、みなさん知っていましたか?
さて、この番組では毎回読み物に合ったドリンクをご紹介しています。
今回は「メロンジュース」でした。(ダジャレです)
次回は「パンプキンスープ」をご用意ください。
季節的にも暖かい飲み物がいいですね。
どんなおはなしがくるのか、お楽しみに!
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それではまた、月曜日の深夜をお楽しみに!!