【パリ共同】パリで燃料税引き上げに抗議する1日のデモに伴い破壊や略奪が多発したことに関し、パリ市は3日、バス停など街頭設備の損壊だけで被害額は計300万~400万ユーロ(約3億8千万~約5億1千万円)に上るとの推定を明らかにした。ニュース専門テレビBFM電子版が伝えた。
11月24日にシャンゼリゼ大通りで起きた大規模な衝突の際の被害に比べ、3~4倍に及ぶとみている。内部が破壊されるなどした凱旋門や略奪も行われた店舗、放火された路上の車などの被害は含んでいないという。
2018/12/04
パリ市、デモの被害5億円 街頭設備の損壊で
国際ジャーナリスト
高橋浩祐
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フランス外務省の招待で11月10日から19日までパリに取材に行ってきたばかりです。マクロン政権は、アメリカのトランプ大統領の一国主義に対抗して「第一回パリ平和フォーラム」を開催、対外的には国際協調主義や多国間主義を強く打ち出している。
その一方で、現在続いている3週連続の週末デモは、燃料税の増税に対するブルーカラー労働者層の不満のあらわれに加えて、マクロン政権に対する国内の批判が高まっていることを浮き彫りにしている。マクロン大統領はエリート中のエリートで金融界出身。一般庶民の暮らしを理解していない、理解できていないとの批判を多数聞いた。
アメリカのオバマ前大統領も、ハーバード大学ロースクール出身で同じようなエリートだったが、オバマ前大統領の場合は、貧困層救済の草の根的な社会活動をして人権派弁護士と名をはせていたのとは対照的だ。
マクロン大統領の支持率は26%に落ち込んでいる。かたや、失業率はほぼ10%。そもそもフランスは貧富の格差が大きい。国立大出身か否かと行った学歴などに基づいたエリート、非エリートの選別も根強い。こうした社会環境がホームグロウンのテロリストも生んできた面もあった。
フランスで続くデモは、フランス国内の病める社会的側面を如実に示しているように思えて仕方がない。
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