2018/11/15

日ロ、平和条約交渉加速で一致 56年共同宣言を基礎

【シンガポール共同】安倍晋三首相は14日午後(日本時間同)、シンガポールでロシアのプーチン大統領と会談し、1956年の日ソ共同宣言を基礎に、平和条約締結交渉を加速させる方針で一致した。首相が年明けにも訪ロし、プーチン氏と会談することでも合意した。日ソ共同宣言は、平和条約締結後に北方領土のうち歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すと明記しており、両首脳が今後、2島先行返還も選択肢に交渉を進めていく可能性がある。
 両首脳は2人の任期中に決着をつけることも申し合わせており、この場合、首相の自民党総裁任期である3年後の2021年9月が期限となる。

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国際ジャーナリスト
高橋浩祐
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産経新聞の14日付の記事によると、安倍首相はロシアのプーチン大統領と会談し、今後3年以内に日露両国が平和条約を締結することで合意したという。首相は自らの自民党総裁としての任期内に歴史的解決を目指す考えだ。

しかし、歴史を振り返れば、例えば、1997年11月のクラスノヤルスク会談でも、当時の橋本首相とエリツィン大統領が「2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くす」と合意した。そして、私が取材に行った1998年4月の川奈会談でも領土返還のムードが確かに漂っていた。

とは言え、政治の世界は一寸先は闇。結局、その後、橋本内閣は参院選で大敗して退陣。エリツィン大統領も電撃辞任し、2000年までの領土問題の解決や平和条約の締結には至らなかった。安倍政権だっていつまで続くかは分からない。今回こそ、ぜひ北方領土問題が解決し、平和条約締結までいってほしいが、まだまだ油断は禁物。何が起きるか分からない。

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