2018/9/18

米誌タイム売却 出版社からIT経営夫妻に

【ニューヨーク共同】米有力誌「タイム」を傘下に収める米出版・放送会社のメレディスは16日、タイムを米IT大手セールスフォース・ドットコムの最高経営責任者(CEO)のマーク・ベニオフ夫妻に1億9千万ドル(約210億円)で売却することで合意したと発表した。
 メレディスは今年1月、タイムのほか、スポーツ・イラストレーテッドなどを発行する雑誌大手タイムを買収したが、ニュースやスポーツ雑誌を売却して、女性向けに経営資源を集中する方針を示している。
 夫妻による買収にセールスフォースは関与しない。タイムの日々の業務や編集にも関わらないとしている。

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拓殖大学非常勤講師
塚越健司
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AmazonのCEOジェフ・ベゾスがワシントン・ポスト紙を買収したのが2013年。IT長者が有力紙を買収したことで話題となりました。今回もセールスフォースのCEO夫妻が買収することになりますが、ベゾス同様、あくまで個人的な買収でセールスフォースそのものは関与していない点は重要だと思います。


企業の買収であればどうしても制約が多くなりますが、記事にあるように編集権に介入しないとのことですので、新聞社が自由に活動できます。つまり、「金は出すが文句は言わない」ということです。これならクビを気にせず業務に集中できるかと思います。


新聞業界は世界中で経営が厳しくなりつつありますが、ブランド力も高く、買い手にとっては経済合理性以外の面で期待できる点も多いのでしょう。いずれにせよ、今回の買収がタイムにとってより良い結果になることを望みます。

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