【ソウル共同】韓国の文在寅大統領は18日から3日間の日程で北朝鮮の平壌を訪問、金正恩朝鮮労働党委員長と会談する。両氏の会談は3回目、平壌での南北首脳会談は11年ぶり。非核化を巡る米朝交渉が行き詰まる中、仲介役として打開を目指す文氏は17日、大統領府での会議で「非核化のための米朝対話を促進させる」と強調。南北関係に加え、核問題で何らかの合意を引き出したい考えだ。
韓国の任鍾ソク大統領秘書室長は17日の記者会見で、(1)南北関係(2)核問題(3)南北の軍事的緊張緩和―を主要議題に挙げ、2日目の19日に合意内容を発表する方向で調整していることを明らかにした。
平壌で18日、南北首脳会談 文氏、非核化へ米朝仲介
韓国の文在寅大統領が18日朝、平壌に到着した。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が出迎えた。今年3回目の南北首脳会談が幕を切った。最大の注目は、「非核化の約束を守れば、金委員長との年内の米朝首脳会談も行う考えがある」とのトランプ米大統領のメッセージを文大統領が金委員長に伝えるが、これに対し、金委員長がどう対応するか。
アメリカが求めるように、北は非核化に向け、核兵器や核施設のリストを申告する意向があるのかどうか。申告するならば、いつどれほどの範囲になるのか。核兵器や核施設といった「軍事秘密」を申告をすれば、それは将来、米朝協議が破綻したら、アメリカ軍への攻撃目標を自らさらけだすことにもつながる。北にとってはリスクが高い。しかし、申告しないと、朝鮮戦争の終結宣言にも辿り着かない。ジレンマがある。
文大統領は、北の非核化を側面支援するため、韓国の財界トップをずらりと引きつれ、経済協力支援というニンジンを金委員長の前にぶら下げている。
しかし、11日に出版されたアメリカのベテラン調査報道記者、ボブ・ウッドワード氏のトランプ政権内幕本は、金正恩氏を本質的にたじろがせた可能性がある。新著では、アメリカは昨年、北朝鮮のレジームチェンジを求めないことなど「4つのNo」を北に提示する陰で、金正恩氏をターゲットにした極秘軍事訓練を行っていたことがわかった。
ウッドワード氏の本は、金委員長を本質的にたじろがせた可能性がある。表面的な親書のやり取りとは裏腹に、金委員長はますますトランプ大統領をやはり信用できない、と考えたとしてもおかしくない。
9月9日の軍事パレードで、金正恩委員長が中国共産党序列3位の栗戦書・全国人民代表大会常務委員長との蜜月ぶりをアピールしたのは、トランプ政権への不信の表れと見られる。
北朝鮮の非核化が先か、あるいは朝鮮戦争の終結宣言が先か。相互信頼がなければ具体的なプロセスも進められない。
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