NTTは23日、漫画などをインターネット上で無料で読める海賊版サイトへの接続を遮断すると発表した。政府が接続業者に自主的な遮断を促す緊急対策を決めたのを受けた措置。著作権保護に向け業界大手のNTTが遮断を決めたことで、他の接続業者も追随する可能性がある。
主な海賊版サイトによる著作権侵害の損失額は約4千億円に上るとの推計もあり、政府は厳しい姿勢で臨む考えだが、その一方で、通信の秘密や検閲禁止を定めた憲法21条に抵触するとの指摘もあり、論争が激しくなりそうだ。
遮断対象は重大な被害をもたらす特に悪質なサイトと政府が名指しした「漫画村」など3サイト。
2018/4/24
NTT、漫画海賊版サイト遮断 著作権保護、政府の緊急対策受け
デジタルハリウッド大学 学長/工学博士
杉山知之
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NTTの今回の対策は、海賊版の遮断や著作権保護は、キャリアがやってくれるものだという常識を日本社会に作ってしまわないかという心配を感じる。キャリアの責任や負担が極端に大きくなる気がするからだ。当初インターネット普及時においては、ネットに流される情報に何も規制がかからず自由という発想で、新たなアイデアがどんどん試され発展してきたという面もある。地球上のすべての人間が、社会生活を送るインフラとしてインターネットが必要となった現在、インターネットで起こる問題について、国際機関、各国政府、民間企業など、それぞれが何を役割として持つのか、まずはその議論が必要だと感じる。
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