平昌冬季五輪フィギュアスケート男子で66年ぶりの2連覇を達成した羽生結弦選手(23)のパレードが22日、地元の仙台市で行われ、沿道を埋め尽くした市民や全国から訪れたファンら10万8千人(主催者発表)が「勇気と希望をありがとう」と祝福した。羽生選手は「連覇をして仙台に『ただいま』と言えて本当にうれしい」と語った。
市中心部の大通り約1・1キロを約40分かけて進行。羽生選手はパレードカーの上から笑顔で手を振り続け、両腕を広げる演技の決めポーズや、金メダルを掲げてみせて大歓声に応えた。
10万人超が羽生選手連覇を祝福 「ただいま」、仙台でパレード
私は仙台市で暮らしているため、昨日は、羽生結弦選手の祝賀凱旋パレードを見に行きました。会場となった市内中心部の東二番丁通りは、私の自宅から歩いてすぐ。パレードの開始時間は13時半でしたが、3時間前の10時半頃に外に出ると、沿道はすでに大勢でごった返していました。徹夜した人までいたそうで、その熱気に圧倒されました。
夏発売予定の新作の出版準備を進めていることから、パレードを見るのを止め、執筆作業に専念しようと思っていました。ですが、開始時間が近づいて来ると、足はふらふらと東二番丁通りに向かっていました。羽生選手の立ち位置が比較的高めでしたので、遠方からもよく見ることができ、バッチリ写真に収めることもできました。
ところで、私は知的財産の専門家ですので、それに関連したお話もしておきましょう。ご存知の方も多いかと思われますが、羽生選手の大のお気に入りは「クマのプーさん」です。ディズニーキャラクターとして知られていますが、もともとは1926年に発表されたA・A・ミルンの児童小説があり、E.H.シェパードが挿絵を付けたものです。日本では小説の著作権は昨年切れましたが、シェパードが長生きだったため挿絵の著作権は存続しています。その挿絵をベースにしたのが現在の「プーさん」で、その権利はディズニー社が管理しています。
羽生選手はいつもリンクに「プーさん」のティッシュケースを持ってきていましたが、平昌五輪では持参しませんでした。これは、国際オリンピック委員会(IOC)が知的財産の取扱いにうるさいためです。オリンピックではスポンサー企業がIOCに巨額のスポンサー料を支払っています。映像に「プーさん」が映ってしまうと、スポンサー料を支払っていないディズニー社の宣伝となってしまうので、それを避ける大人の事情だったのです。
これ以外にも、スポンサー企業ではない企業がオリンピックのロゴを使ったり、オリンピックを想起させる宣伝活動をすることは「アンブッシュマーケティング」と呼ばれていて、どこまで法的に規制できるのか議論の対象となっています。その内容については新作でも詳しくご説明する予定です。
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