日産自動車の有価証券報告書に自身の役員報酬を計約50億円過少に記載し申告したとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、代表取締役会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)を逮捕した。共謀したとして代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)も逮捕。横浜市の日産本社など関係先を家宅捜索した。社内の指揮系統の解明を進める。ルノー・日産・三菱自動車連合に大きな打撃となるのは必至だ。
日産の西川広人社長は本社で記者会見し、有価証券報告書の虚偽記載と、私的な目的での投資金支出、経費支出の3点が確認されたと明らかにした。
2018/11/20
日産ゴーン会長ら2人逮捕 役員報酬50億円を過少申告か
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授
楠木建
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こちらのニュースについて経営学者の楠木建さんがコメントしました。企業の利益に関する粉飾決済はこれまでもありましたが、今回は個人の問題であることがポイントです。カルロス氏は、日産だけでなく、ルノーや三菱自動車の会長を兼務している名経営者です。しかし、1999年に日産の業績を立ち直らせた後は、日産の独自性を見出せず実力を発揮できていないようです。楠木さんは、カルロス氏のこうした経緯について、「長年日産の経営に携わる中で手応えが感じられず、会社全体の業績よりも自分の名声や富にシフトしていったのではないか」と推測しました。
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