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番組内容

企業法務を得意とする弁護士の中田光一知さんをパーソナリティに、報道記者経験8年の中嶋美和子さんをアシスタントに迎えて明日のビジネスに役立つ情報をお送りする15分番組です。


法務というと、訴訟や苦情から守ることだけを考えてしまうかもしれませんが、この番組ではもっと積極的なお話を展開していきます。
真面目に攻めの法務を語る中田弁護士と、それをわかりやすく砕いてくれる中島さん、番組では二人の絶妙なトークが展開されます。

中田総合法律事務所
パーソナリティ
中田光一知

中田総合法律事務所 弁護士
昭和34年 東京都生まれ。
東京都立国立高校を経て、
早稲田大学法学部卒業。
平成元年に弁護士登録(第二東京弁護士会)、平成6年に独立開業。
弁護士活動のほか、講演活動、
執筆活動、各メディア出演でも活躍中。

アシスタント
中島美和子

明治学院大学法学部卒
大分県出身
1999年大分朝日放送アナウンサーを経て、2007年よりフリー報道記者としての経験を活かしつつ、今は硬い番組からバラエティまで幅広く出演している。
オフィス北野所属

2011年04月30日
■第4回:電子書籍の著作権

2011年4月30日放送分:電子書籍化の代行業と著作権について
 
電子書籍端末やコンテンツの普及が進んだ昨今、
従来の紙製の書籍を裁断・スキャンして電子書籍化することで、
大量の本を手軽に持ち運ぶことができるようになりました。
 
一方で、電子書籍化"代行業"をめぐる
「著作権」の取り扱いが問題になっています。



"自炊"代行は"私的使用"の範囲といえるのか?
 
自ら紙の本を裁断・スキャンして電子書籍化する
「自炊」と呼ばれる行為が広がるとともに、
「自炊」代行サービスが登場。
 
中嶋 「家のたくさんの本を電子化すると
    ちょっとのスペースで済みますね」

中田 「電子データで読むのは苦手だけど
    管理できるのは便利ですね」

 
紙の媒体として発売された本の電子データ化は
著作権法で認められている
「私的使用のための複製」にあたります。
 
※個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内における使用
 
一方、電子化を業者に依頼し"代行"してもらう場合はどうなのでしょうか。
 
中田 「著作権上は"使用する者が自ら複製するのは構わない"
    としています」

 
複製を代行業者に依頼することは
「私的使用」の範囲にとどまっているといえるのでしょうか?
 
著作権法の条文ができた時、
紙ではなく電子データで本を管理することは
想定していなかった可能性が高いと考えられるため、
「使用する者」の範囲の中で、 
「代行」を絶対に認めないのか――
解釈上、疑問を挟む余地があります。
 
中田 「限られた範囲ではコピーも自由ですが、
    限られた範囲を超えて"商売"になると
    私的使用の範囲を越えていく可能性が出てきます」

 
中田光一知先生
 
本の代金には
著者の"本を書いたことへの対価"=「著作料」が含まれます。
 
中田 「本を買った人がコピーするのはいいけど、
    たとえばコピーして"1冊"の本が"3冊"になるのが
    私的使用の範囲。
    それが"10万冊分"になったら、
    9万9999冊分の著作権料はどこにいくのか――
    ということになるんです」

 
 ◆時代の後を追う法律
 
お経を書き写すこと(写経)は
今の著作権法違反になるのでしょうか?
 
「文化」の発展に寄与するものは
広く販売・頒布・複製された方が文化の発展に資する――と
考えることができ、
写経に著作権法違反の考えはあてはまらないといえそうです。
 
しかし、電子機器が発展し、技術が進歩した いまの時代では、
(たとえば小説を)書いた人の権利が侵されるため
著作権法により「文化の発展」と「作者の権利」を
調整する必要が出てきました。
 
中田 「どちらの利益がどのように変わるか、
    状況の変化によって、調整も変わるため、
    "法律"は時代の変化の後を追いかけて
    "調整"していくしかないんです」

 
中嶋 「"電子書籍"の法律が
    これから いろいろできていきそうですね」

 
 ◆著者と使用者の権利を調整するのが法律
 
中田 「文化の発展は真似ることから始まります。
    複製=コピーすることも真似ること。
 
    それ自体をダメだと言ったら文化は発展しません。
    しかし、小説を書いた、音楽を作った、作詞をした
    作った人の権利をどのように守るのか――
    どのように その調整をとるのかが問題です。
 
    何事も、一方が立てば一方が立たないのではなく、
    両方を立てることが法律の基本的な発想です」

 
中嶋 「文化の発展は真似ることから始まるけれども、
    両方の権利が守られなければいけない・・・
    それを考えてくれるのが"法律"なんですね」

中嶋美和子さん


『弁護士中田のビジネスナビゲータ』では
放送で取り上げてほしいテーマや質問、番組の感想をお待ちしています。
 
宛先:メール navi@joqr.net
宛先:ハガキ 〒105-8002 文化放送
宛先:ハガキ 「弁護士中田のビジネスナビゲータ」

2011年04月23日
■第3回:自宅待機をした場合の賃金

2011年4月23日放送分:自宅待機を命じられた場合の賃金について
 
『弁護士中田のビジネスナビゲータ』
「ビジネス」の世界で今、起きている出来事について
中田総合法律事務所の弁護士・中田[なかだ]光一知[]さんが
「法律」の観点から わかりやすく解説するほか
時には 企業経営に携わっている方をゲストにお招きして
ビジネスの最前線の話題をお聴きします。



自宅待機とは
 
今回の東日本大震災では、
多くの事業所、工場が被害を受け、稼働不能になりました。
また、直接の被害がない場合でも、取引先が被災した――
あるいは公共交通機関が運行を止め、通勤できない――など
様々なケースで"仕事をしたくてもできない"
"仕事をしても仕方がない"状況が発生しました。
ビジネスナビゲータ

この日のテーマは
「自宅待機」 
自宅待機の場合の給料は"ノーワーク・ノーペイ"
 
自宅待機の場合、
"ノーワーク"=働かないところには"ノーペイ"
 =賃金の支払いはない――という原則がある一方で、
働くことが可能な状況でありながら
企業の思惑により「賃金の支払いを避ける」ために
働かせない=自宅待機を命じることはできません。
 
使用者(会社)の帰責事由で
労働者が働きたくても働けなかった場合は、
賃金を支払わなければなりません。
 
中田「今回のような震災の場合には、
    使用者側の責任があるのかどうか、が問題なんです。
    今回は"天災"ですから、不可抗力として
    使用者側には責任がない――。
    自宅待機を命じられた場合、
    給料は支払われないことになります」

中田光一知先生 
計画停電実施中の賃金は
 
中嶋「計画停電が実施されて、会社が午後から休みになって
    早く帰った友人がいたんですけど、
    そういう場合、会社はどこまで払うんですか?」

 
今回の震災と、電力不足に伴う計画停電の影響で、
工場の操業ができない――
事務職であってもパソコン、照明などが使えず、
業務に支障をきたし事実上"働けない"事態が起きました。
 
  計画停電は会社の責任ではありませんので、
  停電中の働けない時間帯に対する賃金の支払いは・・・
中田「その時間は給料は払わなくていいでしょう――
    ということになるんです」

 
"働くことができない"状況下では利益を上げることができない――
したがって「賃金」として利益を"分配"することができません。
 
それによって
日本経済が収縮してしまうことが大きな問題とされています。
 
知恵と努力で"計画的"に危機を乗り越えよう
 
さらなる電力不足が懸念される夏場に向けて
どのような準備ができるでしょうか。
 
  企業は、売上げ、コストなど計画をたて予算化する――
  労働者は、給料(収入)が下がる可能性を考慮し
  "生活を切り詰める"計画をたてる――など、
  "計画的"にリスクを解消し、
  乗り越えていく準備・努力が必要でしょう。
 
中田 「今までできなかったこと、ムダにしていたことが
    危機的状況を乗り越える力を発揮してできるようになる...
    もっとよりよい生活ができるようになることもあります。
    夢と希望を持って、
    危機的状況を乗り越える必要があると思います」

 
   「人間の知恵とか努力――力を信じて
    乗り越えていくことで、
    また一段進歩した生活・社会をつくる気持ちが
    必要だと思います」

中田光一知先生 中嶋美和子さん
中嶋「自分たちの力を信じて進んでいく、ということですね」
 
中田 「それによって新たな境地が開かれる――
    それを信じましょう」



『弁護士中田のビジネスナビゲータ』では
放送で取り上げてほしいテーマや質問、番組の感想をお待ちしています。
 
宛先:メール navi@joqr.net
宛先:ハガキ 〒105-8002 文化放送
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2011年04月16日
■第2回:不可抗力の免責事項■

2011年4月16日放送分:不可抗力の免責事項について
 
中田総合法律事務所の弁護士・中田[なかだ]光一知[]さんと
中嶋[なかしま]美和子[みわこ]さんの二人でお送りする
『弁護士中田のビジネスナビゲータ』
「ビジネス」の世界で今、起きている出来事を
「法律」の観点から わかりやすく解説します。



中嶋美和子さんについて
 
1976年(昭和51年)大分県出身。
元大分朝日放送アナウンサー。
報道記者として8年のキャリアを重ねた後、フリー転向。
文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ!』
月曜日レポーター担当。
 
中嶋「趣味は"飲酒"・・・お酒ですね」
中田"大食い"という噂を聞きましたが」
 
中嶋「2キロ3キロはペロリと い く ん です が・・・、
    本当の大食いの方は太らないですけど、
    私は太っていくので
    もう大食いはしないように心がけています」

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東北地方には精密機械や自動車の部品の製造工場が数多く存在します。
しかし、東日本大震災によって
部品工場の生産がストップしたことで、
その部品を必要とする工業製品の製造がストップ。
日本だけでなく、世界経済にも大きな影響を与えています。
 
取引先が被災して、代金を回収できない・・・。
 
工場は震災の被害を免れたものの、
組み立てる部品の供給が止まってしまった・・・。
 
雇用している方が被災して働くことができなくなった・・・。
 
中田「ありとあらゆる事業活動が影響を受けています」
 
  4月16日の放送では、震災の被害に遭われた方、会社を経営する方にも
  大きく関わるテーマをご紹介しました。
 
契約における不可抗力の免責事項
 
不可抗力の要因には、天変地異、戦争、内乱、暴動、法令の改廃/制定、
労働争議(ストライキ)、輸送機関・通信回線の事故、
原材料・運賃の高騰、為替の大幅な変動・・・などがあります。
 
中田"不可抗力"とは"誰のせいにもできない"ということですよね」
 
中嶋「地震なんて、まさに不可抗力ですもんね・・・」
 
損害が生じた際の賠償請求は
その責任の所在が明らかであれば可能――。
"誰のせいにもできない"不可抗力の場合は不可能――。
 
中田ストのように、第三者的立場――
    取引関係から見た場合、当事者ではない人の権利行使によって
    当事者関係の権利義務が影響を受ける場合も
    『あなたた(ストライキが行われた事業者)のせいだ』
    とは言えないわけです」

 
"誰のせいにもできない"ということは
自分の損害は自分で負わなければいけません。
 
それによって大きな損害を被る事態になれば
社会全体が公的な補償・賠償によって支える必要があります。
 
中田「"不可抗力"は"誰のせいにもできない"
    ということなんだけど、
    社会全体――みんなの力で支えていく――
    ということに つながっているんです」

 
中嶋「誰のせいにもできないからこそ、
    みんなで支えていこう――と。いい言葉ですね」



みんなの団結で復興を!
 
東日本大震災から復興するために――。
 
中田「今、たいへんな目に遭っている人たち、
    その人たちを支えていく人たち、
    日本だけじゃなく世界で団結して、
    『この苦難の時期を乗り越えよう』という気持ちになることが
    一番大事なことだと思います」



『弁護士中田のビジネスナビゲータ』では
放送で取り上げてほしいテーマや
質問、番組の感想をお待ちしています。
 
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2011年04月09日
■第1回:企業法務について■

2011年4月9日放送分:企業法務について
 
『弁護士中田のビジネスナビゲータ』
「ビジネス」の世界で今、起きている出来事を取り上げ、
中田総合法律事務所の弁護士・中田[なかだ]光一知[]さんが
「法律」の観点から わかりやすく解説するほか
時には 企業の方にビジネスの最前線の話題をお聴きします。
 
すべての人々に関係する「法律」――。
会社経営、会社勤務の方はもちろん、主婦、学生の皆さんなど、
幅広い方々に興味深くお聴きいただける番組です。
 
パートナーは中嶋[なかしま]美和子[みわこ]さん。
 
弁護士中田のビジネスナビゲータ

記念すべき初回の放送は
「企業法務」について
 
土曜日の朝、楽しみながら「法律」「ビジネス」に触れてください。



中田光一知さんについて
 
1959年(昭和34年)東京都出身、現在51歳(2011年4月時点)
早稲田大学法学部卒業後、
1989年(平成元年)弁護士登録。
1994年(平成6年)35才で「中田総合法律事務所」開設。
 
全共闘運動が盛んだった頃、小学生の中田さんは
社会の中で"起きていること"を肌で感じ、
その中で"何ができるのか"を意識。
 
社会に対する関心は、高校生の頃に起きた
ロッキード事件でさらに高まり、
「守るべき価値」「追い求めるべき価値」に目を向けるように。
 
中田「自分に何ができるのか――
    どのような価値観を持つべきか考えた結果、
    社会参加の形として"弁護士"に結実していったんです」

 
仕事を離れた中田さんの趣味は音楽とスポーツ。
音楽ではピアノ、ギター、ドラム、トランペット
スポーツは野球、水泳、バスケットボールに親しんでこられ
現在は「ゴルフを少しやったりする程度」――。
 
中嶋「温和な笑顔が素敵で、俳優さんのようにカッコいいです」


企業法務とは
 
企業の事業活動に伴って発生する法的な業務が「企業法務」
 
企業活動とは
法律関係の しがらみを作っていくこと――という考え方もできます。
 
中田「法律な関係抜きに事業活動は成り立ちません」
 
 ◆これが企業法務
 
 紛争の解決
 コンプライアンス体制の整備(予防法務)
 戦略法務
 
中田「私が進めているのは"戦略法務"という考え方。
    紛争解決を第1ステージ、
    予防法務を第2ステージとすると
    戦略法務は企業法務の第3ステージという考え方で
    紛争ごとを前提としない法務のあり方です」

 
日本国内においては10年前、
2001年に初めてBSE(牛海綿状脳症)感染牛が確認されて以降、
牛肉偽装問題、ニセ比内地鶏問題、消費期限不正表示問題など
食品偽装問題が続出しました。
 
そこで、社会と企業の関係において、
企業が閉鎖された存在であってはならない――という考えに基づいた
コンプライアンスの周知徹底が図られました。
 
皆さんが何気なく身近に聞いたり感じたりする出来事が
法的な側面・観点から どのように見えるのか――
その考え方の筋道をつかむと、
過去のことから未来のことまで様々なことが わかるようになります。
 
中田「人間社会を支える事業活動をめぐる法律問題を
    解決する、
    また、より良く企業活動を進めるためにあるもの――
    それが企業法務です」

 
中嶋「わかりやすい!」


『弁護士中田のビジネスナビゲータ』では
放送で取り上げてほしいテーマや
質問、番組の感想をお待ちしています。
 
宛先:メール navi@joqr.net
宛先:ハガキ 〒105-8002 文化放送
宛先:ハガキ 「弁護士中田のビジネスナビゲータ」

2011年04月02日
『弁護士中田のビジネスナビゲータ』スタートします

  『弁護士中田のビジネスナビゲータ』
 
  2011年4月9日 土曜日 START!!
 
法律がわかる! ビジネスに役立つ!
 
紛争から"守る"
トラブルを未然に"予防する"
そして、その先に"攻めの法務"を見据える
中田総合法律事務所の弁護士・中田なかだ光一知こういち先生が
「企業法務」を中心に、
ビジネスに役立つ情報をわかりやすく紹介する番組です。
 
アシスタントは『大竹まこと ゴールデンラジオ!』の
月曜日レポーターでもおなじみ
中嶋なかしま美和子みわこさん。
 
中田光一知先生 中嶋美和子さん
 
土曜日の朝のひと時、
肩の力を抜いて、ゆったりとお楽しみいただける15分
どうぞお付き合いください。
 
4月9日(土) 初回の放送では
「法律」「企業法務」が
ビジネス、ひいては わたしたちの暮らしに
どのような関わりを持っているのか――をテーマにお送りします。
 
2011年4月9日(土)スタートの新番組
『弁護士中田のビジネスナビゲータ』
どうぞお楽しみに!

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