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『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』著者・村山太一さん

今回の講師は、9年連続でミシュランを獲得しつづけた、東京・目黒にある予約がとれない人気イタリアンレストランのオーナーシェフ、村山太一さんです。
村山さんは、ご自身の経営するお店の生産性をあげようと、お店の休日に、サイゼリヤでアルバイトをし、20歳も下の高校生に頭を下げながらサイゼリヤの経営方法を習得されたそうです。
今、そんな経験談を綴った著書『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』が話題になっています。
ちなみに、なんと村山さんのお店はサイゼリヤの経営方法をまね、このコロナ期間、黒字だったそうです。
経営者から見るサイゼリヤの素晴らしさを語って頂きました!
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【サイゼリヤで学んだ経営方法を取り入れ、レストランの生産性が3.7倍に!】
1人当たりの年間売り上げが850万円から1900万円に!
労働時間は16時間から9時間半に短縮!
従業員は9人から4人に!
→従業員1人あたりの生産性が3.7倍になった
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【もともとイタリアンレストラン最高峰の店で修行】
28年間三ツ星を保っているイタリアンレストラン「ダル・ペスカトーレ」で責任者として働いていた。サッカーで例えるとビッグクラブでキャプテンをするようなもの。とてもやりがいはあったが、「自分の店を開きたい」という思いから2011年に帰国。そして東京・目黒に「レストラン・ラッセ」をオープンし、9年連続で一つ星を獲得。
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【そこからなぜサイゼリヤへ?】
日本は人口に対する飲食店の数がイタリアより多く、競争が激しい。最初はなかなかお客さんが入らなかった。飲食業界で、イタリアンで世界一の店はどこかと考えたときに、サイゼリヤだと思い、店の近くにあったサイゼリヤにアルバイトの面接へ。「経営方法を勉強させてほしい」とすべてを正直に話し、働き始めた。
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【サイゼリヤで働き感じたこと】
今までずっと職人の世界で生きてきた。キッチン内でもレギュラー争いがある。しかし同じことを「レストラン・ラッセ」ですると、従業員が次々とやめていった。サイゼリヤでは、色々な肩書き、立場、年齢の人がみんな仲良く働いている。チームプレーができていると感じた。現場の動きは複雑だが、できるだけシンプルにしたマニュアルと教育システムがあり、その安心感の中で人が育っている。仲間と楽しく戦っている様子を目の当たりにしてとても感動した。
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【ラッセにどのように落とし込んだ?】
マニュアルや教育システムを作ったが、その作成を担当したのは若手たち。
村山さんはシンプルに書かれているかどうかだけをチェック。
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【新型コロナウイルスへの対応は?】
いち早く反応したと思う。まだ日本で感染が拡大する前から、スタッフ分のマスクを購入した。
コロナ禍でも時短営業で店を開け、お客さんにも事前に検温してきてもらうなど、徹底的に対策をお願いした。そうするとちゃんとお客さんが安心して来てくれて、3月~5月も黒字を達成することができた。
スタッフが、密を避けつつ手厚いサービスができるよう、工夫をしてくれたことも大きかった。
サイゼリヤの経営方法に沿って、飲食業界の無駄を削ったことによって、普通の飲食店が5~6%いけば良いとされる経常利益率が22%となった。
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【今のレストラン・ラッセ】
スタッフ個人の能力が高まり、チームワークもよい。
今後も、個人の伸び幅をどんどん伸ばしていきたい。
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イタリアンの職人の世界で成功を収めつつも、経営方法を学ぼうと全く違う世界に飛び込み、勉強を続けられている村山さんのバイタリティーは本当にすごいと感じました!村山さんは、今2冊目の本を執筆中とのこと!コロナ禍で飲食店が生き残るためのノウハウが書かれているということで...こちらも楽しみにしています!
by坂口愛美

村山太一さん写真.jpg

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2020年11月13日(金)
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