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「へその緒を使った再生修復医療」ヒューマンライフコード株式会社・原田雅充さん

今回は、"へその緒"がコロナの救世主!?
捨てられる人間の"へその緒"で再生修復医療に貢献する企業、ヒューマンライフコード株式会社を特集。
代表取締役の原田雅充さんにご出演頂きました。
1本15センチの"へその緒"からは、1000人分の細胞製品ができるそうです。
"へその緒"は世界を救えるのか?ズバリ、教えて頂きました!
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【へその緒を使った再生修復医療とは?】
へその緒からとれる細胞は人間の最も若い細胞。それを注入することで、老化により弱った臓器や組織の回復が見込まれる。
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【IPS細胞との違い】
IPS細胞は人工的に作った細胞。へその緒は自然の細胞。点滴のようなイメージで、血液の中に最も若い細胞を注入していく治療法。
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【へその緒の細胞の特徴】
人を認識する印が限りなく抑えられている細胞。そのため、他の人の細胞であっても、人種問わず、男女問わず使える。1人の赤ちゃんから得られるへその緒から、1000人分の患者を救える可能性がある。
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【入手経路】
東京大学医科学研究所とパートナーを組み、東京都内の産科病院と提携して、同意を得たうえで妊婦さんからへその緒を提供してもらっている。
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【へその緒に目をつけたきっかけ】
外資系の製薬会社に勤めていた時、先天性の疾患を持った患者さんと出会い、へその緒からとれた細胞で劇的に症状が改善した様子を目の当たりにした。「捨てられるもので困っている患者さんを救えるんだ」と衝撃を受け、自らこの治療を広めていきたいと感じた。
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【立ちはだかった技術的・法的な壁】
品質のばらつきをいかになくすかという技術的な課題については、東京大学が突破しライセンス導入した。
また法的な壁として、お産の時に出る臍帯などは、お産した病院で廃棄しなければいけないという条例があったが、ヒューマンライフコード株式会社と東京大学の取り組みにより、2019年9月25日に条例の緩和通知が出た。「一介のベンチャーが世界を変えることができた」と原田さん。
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【コロナの救世主になり得るかもしれない!?】
開発の第1段階がスタートしていて、早ければ来月末、新型コロナ感染の患者さんに、投与が開始される。製品化されるには、厚生労働省から認可を得なければならない。そのためにスピード感を持ちつつも慎重に、国からも支援を受けながら進めている。
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【今後の見通し】
へその緒の再生修復医療に関しては、近年、中国を中心に世界各地で多くの研究が行われていて、世界的に注目されつつある。ただ、医薬品として認可を受ける形で進めているのは、世界的に見てもヒューマンライフコード株式会社だけ。先行の利を生かして、パイオニアの企業となるべく、歩みを止めることなく進んでいきたい。
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へその緒が持つ様々な可能性はもちろん、原田さんのバイタリティや前向きで力強い言葉の数々に、たくさんのパワーをもらいました。原田さん達の手によって、へその緒による再生修復医療が確立され、日本から世界へと広がっていくのを楽しみにしています!
by坂口愛美
原田雅充さん写真.jpg

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2020年10月06日(火)
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