今回のゲストは野球評論家の佐野慈紀さん。1990年、ドラフト会議で近鉄バファローズから３位指名を受け、入団。
1996年には中継ぎ投手として初の１億円プレイヤーとなった方です。その後はメジャーリーグにも挑戦なさいました。
そんな佐野さんに「プロ野球」のお金のお話を教えていただきました。
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【華麗だった野球人生】
・1990年のドラフト会議での同期は、
ジャイアンツ１位指名の元木大介さん、オリックス・ブルーウェーブ１位指名の長谷川滋利さんら。
・この前の年くらいから、ドラフト１位の契約金が１億円になった。
・佐野さんはドラフト３位で5000万円を入団発表の日に小切手でもらった。
・実家の愛媛に小切手を受け取った父と帰ると、父が開口一番「しげき、これでカツラ買えるぞ！」と。
（※村上さん、すかさず「ええネタですね～。」と突っ込む。）
実際、契約金の一部は大学の同級生との飲み代、残りは両親へ。
・佐野さんの年俸は１年目600万円の契約だったが、１軍の最低年棒が1200万円だったので、
１軍にいた佐野さんはプラスアルファがあった。
・その後、中継ぎとして活躍し、周りに１億円プレイヤーが出てきた頃であったので、
4000万円、6000万円、8000万円と上がっていき、順調に１億円プレイヤーとなった。
・当時、結婚するつもりがなかったのでお金は好きなだけ使っていた。
後輩に奢る、繁華街のビルの１階から６階まで全部行くなど、昭和の野球選手そのものだった。
・他の球団の中継ぎ投手から見ると羨ましがられる存在であり、年俸アップの交渉の材料であった。
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【波乱の野球人生】
・肘の故障で1997年オフに渡米。野茂さんに相談した後、ジョーブ博士と会うことができ、
トミー・ジョン手術を受ける。手術代は最終的には球団が支払った。
・1999年に中日ドラゴンズへ移籍するも１軍への出場機会があまりないまま、2000年に戦力外通告を受けてアメリカへ。
・実績が無い場合、アメリカはチームに入れてもらうため自分でグランドを借りて、スカウトを呼んでお披露目会を開く。
そこで声をかけられたら、キャンプに参加できるが、キャンプ中に切られることもある。
・佐野さんは2001年独立リーグと契約。給料は800ドル。
ここまでの期間で年俸が１億円だったころと比べるとかなり落ちている。
・翌年はメジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約などを経験するが年俸はそれほど上がらず。
・アメリカに行く前に、アルバイトをしようかと考えたものの、
履歴書の職歴に「プロ野球選手でした」としか書けない自分に気付き、「俺って何もないな」と思った。
・アメリカの野球は一度失敗したら翌日解雇されるほどシビア。
「突然、170キロくらい投げられないかな。」と思うこともあった。
・しかし、同じ環境なのに楽しくやっているチームメイトに救われる。
「自分の好きな野球に携われている。この国はチャンスをくれるから、今回ダメでもまたチャレンジすればいいじゃないか。
何も恐れることはない。」と言われた。そこから自信を取り戻し、結果が伴うようになってきた。
・その後、2003年に日本球界へ復帰するも１軍登板は２試合にとどまり現役引退。
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と、波乱の野球人生だった佐野さん。最近は運転手として定職に就くも、体調を崩し入院。今は無職だと言います。
ここで、少し前に話題になった借金問題のことに関して佐野さんのコメントを抜粋いたします。
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「自分がやったことなので、それに対しては真摯に謝るしかないと思っている。もちろん借りたものは返さないといけない。
今、自分ができることをやって誠意をもって対応している。同時に家族のこともあるので踏んばらないといけない。
一番は定職に就かないと収入も安定しないので、もう一回踏んばって。いろんな人に不義理をしたかもしれないが、
野球に関してはちゃんとやってきたつもりなので、気持ちをもう一回ちゃんと持って、
いろんな人に認めてもらえるように頑張ろうと思っている。」
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私はお隣でお話を聞かせていただいたのですが、頑張らなくてはという強い思いがひしひしと伝わってきました。
まだ、お痩せになっているままなので、まずは体調が完全に回復することをお祈りいたします。
by長麻未
