男子日本代表の44年ぶりのオリンピック出場が決まったバスケットボール!このタイミングで、
男子バスケットボールプロリーグ「Bリーグ」の常務理事であり事務局長の葦原一正さんをゲストでお迎えしました。
葦原さんは、2015年に公益社団法人ジャパンプロフェッショナル・バスケットボールリーグに入社し、
Bリーグの立ち上げに参画。リーグの経営戦略・ビジョンの策定から、マーケティング、営業、広報、
各部門の統括リーダーとして、事務局の陣頭指揮にあたった方です。とはいえ、もともとはプロ野球
「オリックス・バファローズ」や「横浜DeNAベイスターズ」で働いていた野球畑の方だったんです!
バスケの経験も観戦したことも無いとおっしゃる葦原さん。
ですが、Bリーグの立ち上げに協力してくれないかと声を掛けられます。
バスケは世界で1番競技人口が多い競技なので、仕組みさえしっかり整えれば、
野球やサッカーを凌ぐほどのリーグになるはずだと考え、今の仕事に就いたそうです。
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【立ち上げまでの準備はバタバタ!】
・どういう仕組みでチケットを売るか、選手の年俸はいくらにするか、
放送はどうするのか・・・など、決めることが100~200もあった。
・Jリーグは立ち上げまで5年の準備期間があったが、Bリーグは1年しかなかったので大変だった。
・当時のチェアマンは、元・Jリーグのチェアマン川淵三郎さん。彼の明言である「リーダーシップとは独裁力だ。
それがないと世の中は変えられない。ただし私利私欲があったら独裁者になれない!」という
言葉通り、無報酬でどんどん働いていらっしゃった。
【組織作りで注目したのは『アメリカ・メジャーリーグ』!】
・スポーツビジネスで成長しているのはアメリカ。中でも注目したのはメジャーリーグ。
・アメリカのメジャーリーグと日本のプロ野球で比べると、
約20年前は市場規模が1500億円前後で同じだったにも関わらず、現在は大きく差がついている。
・現在の市場規模は、日本は約2000億円、アメリカは1兆円超え。
マーケットが大きくなったから選手年俸も上がっている。
・こんなに差がついたのは「機能が1つの場所にまとまっているか、バラバラか」の違い。
・日本は球団ごとのHP、チケット販売だが、アメリカはMLBがまとめて行っている。
利用者のことを考えてもこちらの方が利用しやすい。
・「リーグに権利を集約した」ところが成長のポイント。村上さん曰く、「優しいシステム」。
【なぜBリーグが一大スポーツになったのか?】
理由①デジタルマーケティングの活用
・スマホを中心にビジネスを作っていった。スマホ1台で電子チケットの購入から入場までできるようにした。
理由②権益の統合
・すべての権益を事業会社であるBリーグに統合することで権利価値を最大化。
・すべてのチーム、日本代表のデータベースが統合されているので効率的な顧客データの活用が可能に。
・映像制作やテレビの放映権も一元して管理することにより、映像などの二次利用も迅速に対応できる。
カメラマンも専属なので映像のブランド化もしやすい。
【今後は?】
・どんどん年間来場者が増えているが、まだまだ始まったばかり。
・選手の年俸も1億円まで上げられたら・・・。
・今、試合は体育館などで行っているが、将来は専用アリーナを作りたい。
・オリンピックが終わった後が大事!アジアや世界を意識してやっていきたい。
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Bリーグの成功にはこのような背景があったのですね。
さて、今シーズンのBリーグは4月22日にレギュラーシーズンが終了し、
いよいよ4月26日から「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」が始まります!
今シーズンの王者はどのチームとなるのでしょうか?
決勝は5月11日、横浜アリーナです。観戦に行けたらいいなぁ。
by長麻未