ゲストは食べ物が付録という画期的な雑誌「食べる通信」の創刊者・高橋博之さん。
高橋さんは「都市と地方の経済をかきまぜる」という目的で雑誌を作り始めたそうです。
【雑誌「食べる通信」とは?】
農業や漁業など第一次産業の生産者を特集した冊子と食べ物がセットになって、定期的に届くもの。
生産者の紹介、想い、素材を生かしたレシピなどが掲載されている。
付録となる食べ物は農産物や海産物なので生ものがほとんど!
現在、「東北食べる通信」「築地食べる通信」「ふくおか食べる通信」など、
全国で37誌、その他、台湾など海外で4誌発行している。
【「東北食べる通信」からスタート】
創刊のきっかけは東日本大震災。
当時、高橋さんは岩手の政治家で被災地に足を運ぶたびに何とかして生産者を助けたいと思った。
そんな中、都会から来たボランティアの方が助けるために被災地に来たはずなのに、
被災地の生産者と触れ合うことで、元気になって気持ちとして助けられて帰って行った。
この地方と都会が助け合うという関係性を被災した時ではなく普段からできないかと考え、
新しいコミュニティを作ることを目指して作ったのが「東北食べる通信」。
【各地に広がれ!「食べる通信リーグ」】
東北と同じように生産者と消費者の繋がりを願う地域は多い。「東北食べる通信」の
取材・編集のノウハウや考えなどを共有して作られている「食べる通信」は全国で37誌。
発行元は、地方自治体、漁協、地域の企業などさまざまだが、
定期的に各誌の代表者が集まり意見交換をしている。この集まりは「食べる通信リーグ」。
【読者と生産者との交流が生まれた】
「食べる通信」の読者と生産者が繋がる場をネット上で作ると交流が生まれた。
はじめはネット上だけだったが、読者が生産者のもとを訪れたり食事をしたりと
深い交流へと変わっていった。読者である都市の人と生産者である地方の人が本当の意味で繋がった。
つまり「都市と地方をかきまぜる」第一歩となった。
【今後の課題から生まれた新たなコンテンツ】
「食べる通信」は食べ物が付録となるので一度に発行する数に限りがある。大量には作れない。
そこで生まれた新たなコンテンツがスマートフォンのアプリ「ポケットマルシェ」。
全国の農家さん漁師さんから直接食材を購入することができる上、直接話せるオンラインの産直市場。
産地・生産者から旬の野菜や果物、魚、肉などが直接届く。それゆえ、時にはおまけも付く。
地方の生産者にとっては、 本当に必要としてくれる消費者に直接販売できるし、
都会の市場までわざわざお金と時間をかけて行く必要がなくなる。
また、畑や船の上など、いつでもどんなところでもスマートフォン1つで出品できるのでお手軽。
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高橋さんのお話を通して、地方の生産者を守りたいという気持ちが伝わってきました。
日本の豊かな食文化、いまや海外の方にも人気でありがたいことではありますが、
まずは日本に住む私たちが大切にしていかないといけないですね。
by長麻未