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冬休み直前企画「今さら聞けない経済の質問スペシャル」飯田泰之さん

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今回は冬休み直前特別企画「今さら聞けない経済の質問スペシャル」。
先生は明治大学政治経済学部准教授の飯田泰之さんで、これで4回目のご出演です。
(※いつも本当に分かりやすい講義をありがとうございます!スタッフ一同、頼り切っています。)
飯田さんには、リスナーのみなさんからいただいた質問にお答えいただきました。内容を一部抜粋いたしますと・・・


【消費税10%引き上げについて】
・前回消費税率が5%から8%になった時、消費が3%落ちた。まだ落ちたまま。
給料が3%分上がってないので使えるお金は変わっていない。
・2%消費税が上がると、消費が約6兆円減ると言われているが、
その対策がプレミアム商品券やポイント還元では賄えないだろう。
・こういった大きいイベントがあると、そのついでに今までやろうと思ってやれなかったことも一緒にやってくる。
例えば、ポイント還元は消費税増税とは関係なく、電子マネー普及のために、元々やろうと考えていたことだった。


【改正水道法について】
・改正される前までは、水道は完全に民営化するか、自治体がやるかの2択だった。
しかし、今回の改正で「部分的に民間に委託する」ことが可能になった。
水道の所有は市町村だが、運営権は別の株式会社に委託するということ。
・ただし、これには別の狙いがあると予想。
実は地域によっては水道料金が昭和のままの安すぎる場所があるので、民間に委託すると当然水道料金が上がる。
そうなるとクレームが発生。自治体が「民間に委託するのはダメだ!自治体に戻そう」という話になる。
だからといって、水道料金は下げない。つまり水道料金を上げた責任は委託先の民間が追う。
そもそもうまく行っているところは民間委託しない。
・今の水道管を伸ばして供給するシステムではなく、
給水車が地域の貯水タンクに水を運ぶというシステムに変える必要がある地域も出てくるかも・・・。


【仮想通貨について】
・「仮想通貨芸人」や「仮想通貨で儲けた人」などが一般のメディアで目立つようになってきたらブームは終わり。
・株なども同じ。「暴落の前に天才がいる」という有名な表現があるが、相場が暴落する直前はいくつか特徴がある。
株で大儲けした人がテレビや雑誌で天才として取り上げられたりすると、終わりが来ると思っていい。
・仮想通貨は本当に新しい貨幣になるチャンスはあったが、一気に上がって投機の対象となってしまい、
「手数料が高い博打の一種」という見方に。ゆっくり上がっていけば貨幣になったかもしれない。
・今後は「特別な用途に使われるクーポン券」のような存在になるかも。


その他、
【経済学は本当に役に立つの?】【今年のノーベル経済学賞をとった方々の内容・業績とは?】
【イギリスはEUを離脱して大丈夫なの?】などといった質問にも、とても分かりやすく答えて下さいました。


さらに、「村上経済研究所」のテーマは「今さら聞けない村上信五さんへの質問」でした。
本当にいろんな質問に答えていただいています。面白い話、ぐっとくる話・・・。
聞き逃した方、もう1度聞きたい方!
放送から1週間以内なら「radiko」で聞くことができますので、ぜひ聞いて下さい。
ちなみに、私個人としては、番組の冒頭で話したテレビの年末特番の収録の話も好きです。
わたくし、世代ですもの。

by長麻未

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2018年12月17日(月)
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