日本シリーズの初戦を前にお呼びしたのは、読売巨人軍の元球団代表でありジャーナリストの清武英利さん!
とは言っても今日お勉強するのは、村上さんも気になっている「超富裕層」の世界です。
清武さんは、辣腕バンカーに守られた富裕層の逃税術とその不安などを描いたノンフィクション小説
「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」の著者で、
今月20日には文庫版「プライベートバンカー 完結版 節税攻防都市」が発売されました。
そんな清武さんに超富裕層の生活を教えていただきました。
【テーマ①プライベートバンカーとは?】
簡単に言うと個人、主に富裕層からお金を預かり、管理して増やす個人の銀行家。
金融資産が1億円以上5億円以内の人は「富裕層」、5億円以上の人は「超富裕層」と呼ばれ、
日本で1億円以上の金融資産を持っている人は近年増えているそうです。
プライベートバンカーが、富裕層に海外の利回りがよい債券などを勧めることで、
富裕層は彼らにお金を預けるだけで儲かるという状況があるといいます。
【テーマ②小説の舞台・シンガポールは富裕層にとってどんな国?】
面積は奄美大島と同じくらい、人口は約570万人の比較的小さな国です。
なぜ富裕層がシンガポールへ行くのかと言いますと、税金がかからないから!
相続税、贈与税がなく、所得税、法人税も低水準のため「節税」のために移住するのです。
また、治安がよく、日本人も多く住んでいるので生活に困らない。
さらに、時差が日本と1時間しかないので資産運用時も便利です。
【テーマ③幸せそうに見えない富裕層】
しかし、清武さんは取材をしていて、シンガポールの超富裕層は幸せそうに見えなかったと言います。
日本に住んでいない非居住者と認定され、日本の税金がかからないようにするために、シンガポールに滞在。
事業として、株を売買し資産を維持、運用し増やすことをしている富裕層もいますが、
時間的には数時間のこと。結局、お金があって暇を持て余すことに変わりはないそうです。
【テーマ④富裕層の遊び方】
▼超高級なスポーツカーを何台も持っていて、フェラーリで隣の国に蕎麦を食べに行って帰ってくる。
▼自分専用のバーを作る。積極的にお客さんを入れようとせず、仲間だけ入れるサロンのような感覚の店。
初めは楽しいかもしれないが、仲間しか呼ばないのでバーとしての経営はうまく行くはずもなく赤字になるだけ。
など、お金も時間もあるとちょっと変わった暮らしぶりになるようです。
【テーマ⑤今後も富裕層は海外へ?】
最近は、カンボジアやベトナムなどが節税都市として注目されているが、清武さんは
「納税から逃れるのはよくない」と断言。富裕層が納税をして社会に還元しないと、格差は広がる一方です。
特にバブルの頃は、複数の口座を作って「うまくやっていた」人もいたようですが・・・。
このほど、外国の金融機関などを利用した国際的な脱税などに対処するため、
国同士が非居住者にかかわる金融口座の情報を自動的に交換できるようになりました。
この最初の情報交換が今年の9月末に行われたため、
もしかしたら「うまくやっている」人が今ビビッているかもしれないとのことでした。
何だか、超富裕層の暮らしも楽ではありませんね。お金はボチボチあれば良いのかもしれません。
by長麻未