林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

2/20(日) 『国営公園』って、どんなもの?

鈴木先生は、旧建設省に入省してから30年にわたり
主に国の公園緑地を整備する仕事に携わるなど、公務員としての
生活が長かったせいでしょうか、実直そのもの、話し方も
大変穏やかな紳士です。


今日は、先生のご専門の『国営公園』のお話をいろいろ
伺って、改めて「公園って、そうやってできるんだ!」と
感心しました。

まず、国営公園は2種類あること。

㋑ 広域レクリエーション事業として設置される。
  (ニーズの多様化に応じて)
㋺ 国家的な記念事業として、または、日本の歴史遺産を保存・
  活用するために設置されるもので、閣議決定が必要。

ちなみに、㋺の公園は

●「昭和記念公園」(昭和天皇在位50年を記念した公園)
●「吉野ヶ里歴史公園」(吉野ヶ里遺跡の保存)
●「飛鳥歴史公園」(高松塚古墳や蘇我馬子の墓とされる
          石舞台古墳などの保存)

~などがあります。

そして、先生のお話を伺っているうちに、この2種類の国営公園を
区別する言い方として、「イ号公園」「ロ号公園」ということも
なんとなく分かってきました。


さて、鈴木弘孝先生がこれまで手掛けてこられたのは
「ロ号公園」としては、明治100年を記念して作られた
東松山にある『武蔵丘陵森林公園』ですが、
その他は、ほとんどが「イ号公園」

●仙台の『みちのく杜の湖畔公園』
●愛知・岐阜・三重の3県にまたがる『木曽三川公園』
 木曽川・長良川・揖斐川が合流する一帯で日本最大の国営公園。
●福岡の『海ノ中道海浜公園』
 「漢委奴国王」の金印が出土した「志賀島(しかのしま)」と
 陸地を結ぶ砂嘴(さし)を"海の中道"というそうで
 そこに作られた500haを超える大きな公園。
●新潟県の長岡ニュータウンの近くにある『越後丘陵公園』

~など。


こうして並べてみただけでも、先生の公園作りは日本全国に及び、
自然環境を大事にしながら、日本の歴史的遺産を保護しつつ、
人々の心や体の健康作り、また、日々の娯楽や安らぎの提供などに
大いに貢献していらっしゃる、ということがよくわかりました。

『造園職』というお仕事は、スケールが大きくて
なかなか素敵なものですね。


今日のお話で、一番印象に残ったのは
国営公園作りには、大変な時間がかかる、ということ。

国営公園は規模が大きいので、
たとえば、完成目標300haの公園は、50ha、100ha
できたところで開園し、残りは順次整備していくんだそうです。

先生が担当した仙台の『みちのく杜の湖畔公園』も1989年に
開園しましたが、まだ半分ほど完成したにすぎない、というお話
にはビックリしました。

そして、最初に公園作りのプランを立ててから10年、20年
経つうちに国民のニーズも変わることがあり、公園作りの予算も
潤沢にあるわけではないので、必ず事業の途中で、
≪事業の評価見直し≫をやらなければならないというお話。

この事業を進めるべきか、やめるべきか、外部の人も交えての
≪事業の評価見直し≫が国の制度として義務付けられている点は、
とても重要なポイントで欠くことのできない制度だと思いました。


【今日の一曲】
ハーティング・パート / ルパート・ホームズ


番組日記 | 2011年2月20日 08:00

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