林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

1/9(日) 薬の研究ってスゴイ!!

懸川友人(かけがわ ともひと)先生のご専門が、
『既存医薬品の新作用と安全性に関する研究』ということは
すでにご紹介しました。

ある病気を治すために飲んでいる薬が、あとになって違う病気にも
効き目があることがわかる_____そうした、すでにある
薬の中に存在する新しい作用と、その安全性の研究、
なんだそうです。

「すると、先生は、毎日顕微鏡をのぞいて研究していらっしゃる
 んですか?」 と聞くと、
先生は笑って
「<ミクロの世界>というより<ナノテク>より小さい世界、
 分子1個1個の研究です!」 とおっしゃいました。

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今日の懸川先生のお話で、
薬の研究・開発というのは一朝一夕にはできない、
とても<気の遠くなるような作業の連続>なのだ、ということが
よくわかりました。


たとえば、インフルエンザにタミフルが効く、ということは
今ではよく知られていますが、このタミフルは、
中華料理によく使われる八角から抽出された成分なんだそうです。

でも、八角が使われた中華料理をいくら食べてもインフルエンザに
効果はなく、八角の中にある成分を抽出してタミフルという薬に
したとき初めて効果を発揮する、ものなんですって。

では、どうして、八角の中にあるタミフルの原料となる成分が
インフルエンザに効くと発見したのか______?

大いに気になりますが、これが、スゴイ!
____たまたま発見した___といいます。


懸川先生のお話によれば、
薬の研究・開発というのは、たまたま発見するものらしいです。


『 世界中の研究者が何十年という時間と何百億円というお金を
  かけて、何十万、何百万種類のクスリの候補となる化合物を
  作り出してストックしておき、それらを1つ、1つ、丹念に
  調べ上げ、その成分が何の病気に効くか見つけ出していく。

  現在もそうした気の遠くなるような作業が世界中で続けられて
  いる。

  このクスリはこの病気に効くと、すでにわかっているものの
  中にも、これからの研究次第で他の病気に効くことが
  発見されるかもしれない。 』


そうした研究が、懸川先生のご専門の
『既存医薬品の新作用と安全性に関する研究』 なんだそうです。

薬の研究・開発って ス・ゴ・イ!

莫大なお金と時間がかかるので、薬の研究・開発は大企業しか
できないんですね。


さらに先生は、
薬と病気の関係は、≪鍵と鍵穴≫にたとえることができる、と
面白い話をしてくださいました。

体の中に病気の原因となる≪鍵穴≫があって、その鍵穴に合う
≪鍵≫(クスリ)を探してきて、それがカチャッと入れば
病気が治る、という考え方。

___鍵穴に合う鍵を何十万、何百万の鍵の中から探してくるのが
薬の研究・開発___ということなんですネ。


今日は、他にも、
『オーダーメイド医療』___薬の中にも、自分に効く薬、
効かない薬があるので、自分の体質に合った薬を出してもらう
____といったものが、近い将来実現するだろう、というお話
など、ヘェ~ッと驚く面白いお話がいっぱい聞けました。


来週の懸川先生のお話が楽しみです!!


番組日記 | 2011年1月 9日 08:00

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