11/7(日) <人間の面白さ>に迫る
今日は、まず、竹藤佳世(たけふじかよ)先生に、
来年4月に城西国際大学メディア学部に開設される
「映像芸術コース」についてお話を伺いました。
来年メディア学部に新設される「映像芸術コース」では、
日本で一番古い映画会社「日活」と提携して、調布にある
日活撮影所で働きながら、映画を学べるようになります。
竹藤先生は、
『映画は、現場から学ぶことが多いので、
大学で理論や知識を学んだ上で、実際映画の現場へ行って
勉強できるのは、とてもいいこと。』と、おっしゃいます。
「映像芸術コース」で学び卒業すれば、
その業界で働くことができるのか、と質問すると、
竹藤先生は、
『必ずしも、そうではない。
一般の大学で文学部を卒業すれば<みんな小説家になる>
というわけではないのと同じように、
「映像芸術コース」を 卒業すれば
<テレビや映画の世界で働く>というものではない。』
と、お答えになりました。 それは、確かにそうですよネ。
では、
大学で「映画」を学ぶということは、どういうことなのか?
___大学で、芸能(映画)を勉強するのは
人とコミュニケーションすることを学ぶこと___
いろんな意味で自分の人生を豊かにする勉強ができる、と
竹藤先生は、明快にお答えになりました。
大学で芸能を学んだことで身につけたスキル(コミュニケー
ション能力やプレゼンテーション能力といったもの)は、
将来社会に出たとき役に立つもの。将来、どんな分野の仕事に
就職したとしても、役立つだろうとのお話でした。
竹藤先生ご自身は、大学で「社会学」を勉強し、
学生時代は映画監督になることなど
『1ミリも考えていなかった』そうです。
先生は、広告代理店に就職し、CMやチラシのデザインなど
クリエイティブな仕事を担当しているうち
『自分が作りたい』と思うようになり、仕事をしながら
<映像>を学んだということです。
そして、その頃、妊娠したことで
「今、私にしかできないことがあるはず」と思い、自分で自分に
カメラを向け、自身の産前産後3ヶ月の気持ちの移り変わりを
捉えたのが、ドキュメンタリー『骨肉思考』
初めての監督作品となりました。
その後、『キャタピラー』の若松孝二監督や、『もがりの森』の
河瀬直美監督などの映画作りに参加して鍛えられたそうです。
特に、若松監督には、
「バカ!」「帰れ!」「お前なんかいらない!」と、
カメラを取り上げられたりして、『こいつだけは許せない』と
思ったこともあったそうですが、
いろいろと教えられることも多かったといいます。
最後に、竹藤先生は、
『ドキュメンタリーは、<人間の面白さ>に負うところが大きい』
と、お話下さいました。
『映画を見たお客さんが、その主人公を好きになるような作品
でないと面白くない。
それには、作り手(監督)自体が、その主人公に惹きつけられ、
面白いと思わないと撮れない。』
それを聞いた正蔵さんが、
『寄席芸人の川柳川柳(かわやなぎせんりゅう)さんを
是非追いかけて撮ってほしい!
古典落語の名人三遊亭円生さんに、こんなお弟子さんが?と
思うような異端児です。
70いくつの、ものすごい面白い人です!』と、売り込むと
竹藤先生は、即座に
『いいですネ。正蔵さんにプロデューサーをやってもらって
2人の共同企画でやりましょう!
まず、ゴールデン街で飲みながら話をまとめましょう!』と、
明るくおっしゃいました。
そんなお2人のやりとりをそばで聞いていて、
「あぁ、竹藤先生は、こんな風に人との出会いを楽しむ過程で
自然と"映画"が出来上がってくるんだな」そう思いました。
先生には、ブルドーザーが道を切り拓いてゆくような力強さを
感じます。
今後、竹藤先生がどんな映画を撮られるかとても楽しみです。
正蔵さんとの共同企画の映画も実現するといいですネ。
【今日の一曲】
チェンジ・ザ・ワールド / エリック・クラプトン
番組日記 | 2010年11月 7日 08:00
林家正蔵 プロフィール
本名<海老名泰孝・えびなやすたか>
1962年12月東京根岸生まれ。
1978年4月
高校入学と同時に林家こぶ平として落語協会に所属。
1981年5月
二ッ目昇進。
1987年5月13日
真打試験合格。最年少で13人抜き昇進。
1989年3月18日
浅草芸能大賞 新人賞受賞。
1990年6月
国立花形演芸大賞古典落語金賞受賞。
2005年3月21日
九代 林家正蔵 襲名。
2005年9月
城西国際大学人文学部客員教授就任。
2005年12月
浅草芸能大賞 奨励賞 受賞。
【映画声優出演】
「うしろの正面だあれ」
「平成狸合戦ぽんぽこ」など
【TVドラマ出演】
TVドラマ「天うらら」・「お美也」など
その他、TV番組司会などメディアに多数出演
【著書】
角川書店「お江戸週末散歩」
集英社「落語いってみよう、やってみよう」
岩崎書店「林家正蔵と読む落語の人びと、落語のくらし」など、他多数。
林家正蔵オフィシャルサイト「蔵の塩梅」 http://www.sanpeido.com/shozo/
石川 真紀(いしかわ まき)
文化放送アナウンサー
4月16日生まれ、秋田県出身。早稲田大学卒業、A型。
プロフィールページ http://www.joqr.co.jp/announcer/ishikawa.html
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