林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

7/25(日) 失敗は成功の母

小林啓二(こばやしけいじ)先生は、
物腰柔らかな落ち着いた語り口調の紳士でいらっしゃいます。


kobayasi2.jpg

「有機化学」を専門に研究されている先生に、
まず、「有機物」とは何か?という基礎的な質問から
伺いました。
「有機物」とは、朽ちるもの、腐るもの、燃えるもの、
というお答え。
つまり、命あるものは、みんな「有機物」。
昔、昔、植物や生物の死骸が地中に堆積してできた石油や
石炭なども「有機物」ですし、その石油や石炭から作られた
ナイロンやプラスチックも「有機物」だ、という話には
ちょっと驚きました。
野菜やプラスチックが、同じ「有機物」の仲間だなんて・・・。
一見、無機質に見えるものでも、昔、命があったもの
(石油・石炭)からできた物質は、みんな「有機物(有機化合物)」
ということになるんですネ。


「有機化学」の分野では、日本人には優秀な科学者が沢山いて
白川英樹氏、野依良治氏、下村脩氏などが「ノーベル化学賞」を
受賞しています。
(今日のお話には出てきませんでしたが、福井謙一氏、
 田中耕一氏も受賞しています。)
小林先生によりますと、
日本人は器用で実験が得意だから「有機化学」の研究に
向いている、というお話でしたが、ちなみに、白川英樹氏が
プラスチックは電気を通さない、という常識を覆し
<電気を通すプラスチック(有機化合物)>を発見した
きっかけは、ある日の実験で、薬品の量を大幅に間違えたことに
あるんだそうです。

失敗が発見につながる、『失敗は成功の母』だというお話に
すごく感心しました。
トーマス・エジソンの言っていたことは、本当だったんです。

白川先生の実験の失敗のおかげで、
私たちが使っている携帯電話が前より軽くなり、情報も
いっぱい入るようになりました。
このように、「有機化学」の研究成果は、私たちの知らない
ところで生活に深く関わり、役立っているんですね。

「たまたま」「偶然」というチャンスを見過ごさず、
いかに生かすか、それも才能の1つ____

今日は「有機化学」のお話を入り口に、人生の教訓まで
小林先生に良いお話を伺いました。


【今日の一曲】

イッツ・ア・ミラクル / カルチャー・クラブ


番組日記 | 2010年7月25日 08:00

≪ 7/18(日) ホストファミリー | 番組日記 一覧 | 8/1(日) 理科離れ ≫

Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.