林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

2月26日(日)自動上昇をやめるとき

今週も、

城西大学 現代政策学部 准教授で、

国際教育センター副所長、

飯尾唯紀(いいお・ただき)先生の授業。

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今回の授業で際立ったのが、

ライフ・ワーク・バランスを大切にするハンガリーの国民性でした。

スーパーマーケットは朝6時から、

役所や郵便局は朝7時から夕方4時までの営業と

社会全体が朝型の生活時間で、

その分、家庭や自分の時間を大切にするのが、

ハンガリー・スタイル。

日本と似ているのは、遅刻に厳しいことくらいでしょうか。


また、ハンガリーは消費税が27%と高い分、

福祉政策が充実。

医療費や大学の授業料(2校まで)が無料だったり、

食費は軽減税率が導入されるなど、

日本と比べると合理的で羨ましく思えます。


他方、宗教教育にも税金が投入され、

公立学校でも宗教の授業があるということで、

自分自身のアイデンティティや、暮らしについて、

しっかり学び、

それと同時並行で国際人を育てる教育も進んでいるのが、

現代ならでは。

伝統と文化を尊重、継承しつつも、

よりよい世界に向けて、未来志向で歩みを進めることが、

現代世界に生きる私たち共通の課題であることを再認識します。


先日、期せずして、

2024年夏季オリンピックの首都ブダペストでの開催招致断念を発表した

ハンガリー政府。

ドイツのハンブルク、イタリアのローマに続いての撤退で、

オリンピック離れに歯止めがかからない現状が浮き彫りになっています。

費用や開催規模という現実と、

アスリートの夢の舞台との間で揺れる地球号の住民たちは、

同時に、

いつの間にか想定外の速さで上昇し続けていたエスカレーターを降り、

地に足を付けた堅実な生き方を取り戻そうとしているのかも。

商業主義に走り、手におえない膨張を続けてきた歪みが、

至る所で生じてしまっている今を、

私たちはきっと、乗り越えなくてはなりません。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  There's a Kind of Hush ( All Over the World ) ~ 見つめあう恋

                         / Herman's Hermits


番組日記 | 2017年2月26日 08:00

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