林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

6月26日(日)発想の種

今週は、

城西大学 薬学部 教授、

真野 博(まの・ひろし)先生の授業でした。

 mano02-thumb-240x240-82168.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食品機能学がご専門の真野先生に、

今回は、骨と柚子の関係をテーマに、お話しいただきました。

柚子には、

柑橘系の果実の皮や種がたいてい持つ、ノミリンという成分が含まれていて、

そのノミリンが、

私たちの体の骨にとって重要な働きを持つと期待されているのだそうです。


ノミリンには、抗酸化、抗肥満、抗腫瘍、血圧低下など

多様な作用が期待できることがわかっていて、

先生たちは、現在、

骨への作用についても、研究を進めている段階とのことです。


私たちの骨には、もともと、

骨を作る骨芽細胞と、骨を壊す破骨細胞とが共存し、

自分自身で新陳代謝を繰り返しています。

それが、病気や加齢によって、破骨細胞が増え過ぎると、

骨粗鬆症になる可能性が高まるのだそうです。


真野先生たちが研究されているのは、

増え過ぎてしまった破骨細胞を、ノミリンがやっつけてくれる作用。

さらに研究が進められ、その効果が検証されて、実用化されるようになれば、

お痛みや困難から解放される人が増えるかもしれません。


ノミリン以外の栄養成分、

例えば、

イソフラボン ( 大豆 )、ビタミンK ( 納豆 )、

ポリフェノール ( ワイン )なども、

骨粗鬆症の予防や健康の為に、積極的に摂りたいところです。


今回の授業では、

真野先生から、研究室の基本姿勢が垣間見られる場面も。

柚子にとっての皮や種のように、

以前は捨ててしまっていたものから研究対象を探すのが、

伝統的な姿勢なのだとか。

人々の役に立ち、大勢に喜ばれる研究は、

身近な発想の転換から生まれる-

先生たちは日々、それを体現していらっしゃいます。

                   石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   Rainbow / Meja


番組日記 | 2016年6月26日 08:00

≪ 6月19日(日)ガラパゴス&スタンダード | 番組日記 一覧 | 7月3日(日)世界が注目する桂木柚子 ≫

Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.