林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

3月20日(日)ゴールへのアプローチ

今週は、

城西国際大学 福祉総合学部 准教授、

原田恭宏(はらだ・やすひろ)先生の授業でした。

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脳神経科学、理学療法がご専門の先生に、

今回は、運動学習理論について、入門の解説をしていただきました。


運動を継続することで得られる効果を

より高める為のノウハウを理論化した、

運動学習理論。

健常者のうち、

主にスポーツ選手のパフォーマンスを高める為の理論ですが、

理学療法では、

高齢者やケガからの快復を目指す患者さん向けにアレンジして、

対応していらっしゃるのだそうです。

体の動かし方、道具の使い方など、

何回も反復して練習することで、

いつかは、ある程度、上達するものですが、

いかに早く上達させるかが、運動学習理論。

いわゆる ' スポ根 ' ものの映画やドラマに描かれていたように、

とにかく根性重視、

理屈は度外視してコツコツやるだけだった時代は、とうに過ぎ、

現代では、

上達する手がかりを客観的にとらえて共有することが

求められています。


最大のポイントは、理論の伝え方。

例えば、右足を骨折した患者さんが、ケガからの快復を目指す時には、

「右側に体重をかけて」と言うよりも、

「右足にお尻を乗せるようにして」という表現を、

また、一般的に、

「姿勢をよくして」とか「胸を張って」と言うよりも、

「頭が天井につくように良い姿勢をとって」と伝える方が、

特定の部位に限らず

体全体が修正される傾向にあるようです。


原田先生の言葉にありました

「対象によって、言い方を換える」というのは、

つまり、

まずは、きちんと伝わって、

最終的には

対象者本人が継続できる環境へと導くことを大切にしながら、

理学療法士の方々の育成に当たっていらっしゃる様子が窺えます。


自分自身が、ある表現で理解できたとしても、

100人全員が、同じ表現で理解してくれるとは限らないもの。

表現方法、スタート地点は異なっても、

痛みを和らげて、より快適に毎日を過ごすという、

目指すゴールは1つ。

物事の真髄を共有するには、多様なアプローチが可能だという一例が、

この分野にも存在するようです。

                   石川真紀


番組日記 | 2016年3月20日 08:00

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