林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

9月25日(日)ビジネスモデル化される、おもてなし

今週も、

城西国際大学 観光学部 客員教授、

梅原一剛(うめはら・いちごう)先生の授業。

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先週来、たびたび話題に上っているキーワードが、

ホテルにおけるサービスとホスピタリティの違い。

言われたことに過不足なく、かつ適切に対応することがサービスなのに対し、

客のニーズや意思に、個別に応じるのがホスピタリティ。

例えるなら、

前者が標準的な建売り住宅、

後者は顧客1人1人のニーズやウィッシュを取り込んだ注文住宅、

という言い方もできると、梅原先生は仰います。


正解が1つではない物事について、

どれだけ客人の真意を斟酌した対応をするか、

スタッフ全員が適時、当意即妙に接遇できるホテルこそ、一流だと言います。


日本には、旅館の仲居さんや番頭さんが客人をもてなしてきた

伝統的な文化が根づいています。

これは、とても誇らしく、

1軒1軒の旅館を唯一無二の存在たらしめる素晴らしいものですが、

世界基準 ( =グローバルスタンダード )に照らして、

遜色のないもの、誰もが理解し、踏襲できるものにしていくことが、

今、求められているのだそうです。

言葉にしない思いや、奥ゆかしさ、

慮ったり、察したり、という機微を尊重してきた日本にとって、

あらゆることを可視化、顕在化し、

ビジネスモデル化するというプロセスは、

これまでの歩みと対極にある、困難な道に違いありません。

市場を広め、日本の良さを知らしめる為にも、

そうした変革が不可避なのは理解できますが、

まだ心が追いつかないというのが、正直な思いです。


そこで期待が集まるのが、

梅原先生が理事長をお務めのNPO法人 THE F.U.N.(ザ・ファン)の活動。

経営(マネジメント)と運営(オペレーション、サービス)、

それぞれのプロフェッショナルを育成し、

これからの時代、世界で活躍できる人材を輩出しようと設立されました。


本当の意味で良いホテルとは、

居心地の良い場所であり、カルチャーであり、エンターテインメントであり、

究極的には素敵な場所であるべき。

そして、

息の長い経済活動に、ホテルは重要な位置を占めるということを再認識して、

街づくり、社会貢献、地方創生などを

多角的に観察してみたいと思っています。

                    石川真紀


番組日記 | 2016年9月25日 08:00

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