林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

9月13日(日)魔女と魔男

今週は、

城西国際大学 国際人文学部 准教授、

吉城寺尚子(きちじょうじ・なおこ)先生の授業でした。

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西洋美術史がご専門の先生に、

美術に限らず広くイメージが社会に与える影響をテーマに、

解説していただきました。


例題に挙げられた魔女もヘラクレスも、

私たちがイメージとして抱いているのは、

主に、童話の挿絵や映画などによるもの。

魔女は、三角帽子をかぶり、鼻が尖がったお婆さんで、

箒に乗って空を飛んだり、人を蛙に変えたり、呪文を唱えたり、

鍋で何かを煮ている怪しい存在というのが、

定番のヴィジュアルイメージとなっています。

しかし、

中世末期、15世紀末の文献に掲載されている魔女たちの図像・挿絵を確認すると、

頭が動物に変化していて、

干し草を集める二股の農機具に跨って飛んでいます。

他方、魔女の行動としては、

サバトと呼ばれる魔女や悪魔を崇拝する集会に、箒で飛んでくる魔女も居て、

怪しげな薬を作ったり、小さな魔物のような獣を連れていたりと、

今に伝わる定番イメージと似通った面も。


古今東西、女性蔑視や、男尊女卑など、

人の歴史に付きまとってきた根強い考え方が存在しますが、

師匠も仰っていたように、

魔女は居ても魔男が居ないのは、

古代から、女性への畏敬の念があったからなのかも知れません。

自分に出来ないことが出来るとか、

自分とは違うとか、

人が複数存在する所には、

畏れや、妬み、憎悪が生まれ、増幅してしまう萌芽も存在するようですが、

これから先、未来の世界は、

異なることを受け入れ、お互いを尊重し合い、

共存・共生を目指していきたいものです。

                  石川真紀


番組日記 | 2015年9月13日 08:00

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