林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

9月10日(日)受け継がれる理由

今週も、

城西国際大学 メディア学部 助教、

滝口幸子(たきぐち・さちこ)先生の授業。

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移住生活を続けながら、

言葉や音楽を、それぞれの土地に合わせてアレンジ、発展させてきた、

ロマ民族。

ロマネス語を話す人々は世界中にいるものの、

現地の言葉とミックスし、

軌跡ごと全く異なる言語へと派生させてきた歴史があるそう。

それでも、

目、花、水といった基本的な言葉は変わらず、

各地のロマの方々に共通して話されていたり、

音楽性の根底に流れているのが、

源流とも言えるインド北西部に暮らした当時から得意としていた

超絶技巧とリズム、音色の奏で方であることを知ると、

時を重ね、幾人もの人の手を経てもなお永久不変の心髄が、

民族を形成する1人1人の心の中に、

確実に存在する奇跡を実感します。


無条件に魅せられたフラメンコに、

趣味として向き合うようになって15年以上の歳月を重ねる中、

岩を穿つように蓄積される何某か。

ロマの方々が、20世紀初頭まで文字を持たなかったこと。

書物や楽譜もない中、口伝で豊かな音楽を受け継ぎ、

各地の人々の心をつないできたこと。

喜怒哀楽、恨み、後悔、運命との葛藤...

様々な感情と時空を超えて語らうことのできる時間こそ、

ロマ民族の文化と音楽が広まり続け、

足跡を着実に刻む所以なのでしょう。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  A Horse With No Name ( 名前のない馬 ) / AMERICA


番組日記 | 2017年9月10日 08:00

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