林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

7月26日(日)積み重なる歴史

今週も、

城西国際大学 福祉総合学部 助教、

橋本理子(はしもと・あやこ)先生の授業。

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今回は、

先生が研究されているアナベラ・ケント女史の例など、

今では各地に定着している社会福祉の事例について、

解説していただきました。

アナベラさんは、

第二次世界大戦後、日本の占領に関わったご主人と伴に、

アメリカから来日。

医療ソーシャルワーカーとしての実績を活かして、

日本に滞在した7年の間に、

埼玉・浦和の民生委員制度改革を行ったり、

保健所の原形を造ったりと、

その名前よりも功績・システムが残った功労者。


また、

長野・上田が発祥とされるホームヘルパーのシステムは、

当時の市職員の中でも特に意欲的な人物が主導して

構築されたのだそうです。


古今東西、変革には鍵となる人物が存在し、

何かがおかしい、とか、

こうすればもっと良くなるのに、といった

周囲の不満を上手に汲み取って、

人々の暮らしを少しずつ向上させてきた歩みを垣間見ることができます。


橋本先生が授業の締めくくりとして仰っていた

「 歴史は、1人1人の人生の積み重ね 」 という言葉。

福祉はもちろん、社会を巡るあらゆる事象は、

過去・現在・未来が全て関わっているものであり、

自分たちさえ良ければ、

後のことは関係ないという類のものでもなければ、

反対に、

自分たちの代では叶わなくても、

後世に生かしてほしい、という思いも。


日々の生活を着実に送る中では、

一息に、劇的な変化を遂げることは難しくても、

一進一退を繰り返しながら、

10年単位、100年単位で僅かずつ前進するのが、

人類の歴史なのかも知れません。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  I'll Be There / The Jackson 5


番組日記 | 2015年7月26日 08:00

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