林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

6月28日(日)アナログ時代の責務

今週も、

城西国際大学 メディア学部 副学部長・教授、

金田克美(かねだ・かつみ)先生の授業。

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邦画の美術監督は、

かつて、金田先生のように撮影所で学び、

先輩のもと、

サード助手、セカンド助手、チーフ助手として段階を踏みながら、

独り立ちの機会を与えられるまでに

じっくりと成長していったものだそうです。


時を経て、

映像そのものが身近になった現代、

極端に言えば、1人で部屋にこもったまま気軽かつ簡素に、

撮影・制作から加工、配信に至るまで出来るようになりました。

それに伴い、

映画という映像文化への熱い思いが、

以前よりも薄れてしまった寂しさを、

金田先生はお感じになっていると仰います。


撮影・制作現場では、

関わる人が多いほど、熱気が渦巻き、

1人1人の仕事に敬意を払いながら

極度の緊張感を胸に、本番に臨みます。

失敗は極力避けたい、修正なんて考えない現場が残した記録には、

映像であれ、音楽であれ、

そこに居合わせた人だけが共有する独特の息遣いが刻まれているはず。

技術革新や経費削減により、

利便性が高まった反面、

加工・修正によって生命体らしさからは遠のいてしまった面も

否めません。


関わる人数や、作り方は変わっても、

体温や匂いを感じさせる作品こそ、不朽であってほしい。

アナログとディジタルの両方を知る私たちにとって、

そうした感性を分かち合うことは、

責務かもしれません。

                  石川真紀


番組日記 | 2015年6月28日 08:00

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